内容説明
ブルガリア、ルーマニアなどバルカン半島の国々に伝わる昔話から29話を収録。
著者等紹介
八百板洋子[ヤオイタヨウコ]
1946年、福島県に生まれる。1970年、ソフィア大学大学院に留学。訳詩集『ふたつの情念(こころ)』(新読書社)で第十三回日本翻訳文化賞特別賞・翻訳功労賞を受賞。また『吸血鬼の花よめ』(福音館書店)で第三十三回日本翻訳文化賞を、『ソフィアの白いばら』(福音館書店)で日本エッセイスト・クラブ賞と産経児童出版文化賞を受賞した
スコチル,ルディ[スコチル,ルディ][Skocir,Rudi]
1951年、旧ユーゴスラビアの北部、現在のスロベニアに生まれる。リュブリャナとパリで絵を学ぶ。スロベニアと外国で、八十回以上、個展を開催し、作品に対して十六の賞を受賞している。スロベニア在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
53
バルカン半島の昔話を集めたもの。[ブルガリア]森の精と羊飼い、三人の男とらくだの卵、つるとかわせみ、金の鳥、吸血鬼に恋した娘、うずらとお百姓、お日さまの妹布袋の兄、なまけもののボグダンカ、きつねとおんどり、兄と弟[ルーマニア]山羊と銀の鈴、青い炎の館[スロベニア]針ねずみになったヘンリ、水の精と男の子[クロアチア]カエルの娘、おかみさんと悪魔[セルビア]いちばんたいせつなもの、あの世からきた男、生きもののことば[アルバニア]ばらの伝説、狼だんなとろば[マケドニア]灰かぶりのマーラ、月光のうた、娘と十二の月2020/04/17
oldman獺祭魚翁
43
ちょっと珍しいバルカンの民話集。様々な民話が29話載っています。個人的には表題作が一番好きかもしれないがトルコの『貧しい男の運』が個人的には夢だろうなぁ。面白い事にペロー童話から中国の韓非子まで似た話がある。こういう発見が有るから読書は止められないのだ。2022/07/01
かもめ通信
17
副題は「バルカンの物語」。ブルガリア(10)ルーマニア(2)スロベニア(2)クロアチア(2)セルビア(3)アルバニア(2)マケドニア(3)トルコ(3)ギリシア(2)計29編の物語とたっぷりの挿絵という贅沢な民話集。2022/05/30
杏子
16
バルカンの昔話集。大変、読みやすく面白かった。バルカンと言ってもピンとこないが、ブルガリア、ルーマニア、マケドニア、スロベニア、クロアチア、セルビア、アルバニア、ギリシア、トルコと、広範囲に渡る国々に伝わる民話だそうだ。回りに障壁となる山脈がなく、容易に行き来できる土地であり、古くから紛争が絶えず、人々の暮らしも穏やかならざるものだったとか。異民族からの支配など苦しみを舐めてきたせいなのか?弱い者が強い者に打ち勝って自らの運命を切り開くという話が多い。他で読んだような話もあり、改めて昔話は面白いと思った。2022/03/06
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
バルカン半島と言われてもピンとこなかったのですが、ブルガリアやルーマニアなどの国々でした。戦争の多かった歴史があるのですが、温かいおはなしが多く29話収録されています。絵本になっているものもありました。『 森の精と羊飼い / 三人の男とらくだの卵 / つるとかわせみ / 金の鳥 / 吸血鬼に恋した娘 / うずらとおひゃくしょう / お日さまの妹 布ぶくろの兄 / なまけもののボグダンカ / きつねとおんどり / 兄と弟 / 山羊と銀の鈴 →2020/04/26