出版社内容情報
著者がカナダ・インディアンの世界に身を置き、かれらと同じ体験をしながら、そこに住む人々の日々を記録しました。(N-5)
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学高学年から
内容説明
トナカイを求めて、凍てつく雪原を来る日も来る日も犬橇を走らせるカナダ・インディアンの男たち。「トナカイは人が飢えている時、その肉を与えに自分からやってくるものだ」と彼らは言う。本書は、その魂に“自然”の力を宿し、季節と共にその内なる力を育みつつ生きてゆく人びとの、たぐいまれな記録である。
目次
第1章 出会い
第2章 夏の風景
第3章 冬への旅立ち
第4章 トナカイが来る時
第5章 トナカイの狩猟
第6章 トナカイの料理
第7章 不死なるトナカイ
第8章 キャンプの人びと
第9章 雪の荒野
第10章 春の動物たち
第11章 村の生活
著者等紹介
煎本孝[イリモトタカシ]
1947年、神戸市に生まれる。東京大学大学院理学系研究科終了後、マニトバ大学(カナダ)で人類学、サイモン・フレーザー大学大学院(カナダ)で人類学、社会学を修める。哲学博士。現在、北海道大学大学院文学研究科教授、国立民族学博物館併任教授。文化人類学・生態人類学・自然誌専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のん@絵本童話専門
1
カナダ〜アラスカにまたがる、アサパスカン語族のインディアン。冬はトナカイの狩猟をして冬越しする。その部族の中で15か月間暮らした作者。トナカイも、熊も、向こうから私たちの元へやってくる、と。神話と共にある暮らしの価値観。そこには、大好きな絵本『太陽へとぶ矢』に近いお話があった。エスキモーとは全然違うと思っているようで、軽蔑の対象ですらあることに驚き。お酒の悪い影響や脱・条約インディアンなど、近代的な生活による変化も書かれている。中学生〜2024/03/03
an
0
小学校上級以上対象としているけどかなり内容は深くて面白い。こんな体験を1970年にされてまとめられたのはそういう時代という気もする。神話の話も人間とトナカイの関係性も、そして人間関係も本能的で人間的。2023/08/10