出版社内容情報
アスラウグは母親を殺して埋め、伯母と従姉妹を殺し建物に火を放ったのか? 証人たちががひとつ証言するたびに、浮かび上がる事件の様相。真実は何処に。気鋭の処女作登場。
内容説明
アスラウグは母とふたりで暮らしていた。野草を食べ、薬草を煎じる毎日。母が今日欲しがっているのは、毒のあるマッドアップル…。2007年、アスラウグにかけられているのは殺人未遂と第一級謀殺の容疑。ほんとうに彼女は母親とおばといとこを殺したのか?証言のたびに、浮かび上がる万華鏡のような事件の様相。真実は?全米図書館協会ベストブックに選ばれた、気鋭の処女作。
著者等紹介
大友香奈子[オオトモカナコ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しろ
12
☆7 母親や伯母やいとこを殺したとされる女性の裁判。不安定な精神の女性とタイトル通りの毒薬を中心に展開される法廷劇はゆらゆらとした酩酊的な印象。「異議あり!」連発の法廷シーン、判事、弁護士、検事とのやりとりとかもなかなか楽しませるもので、読んでいて退屈はしなかった。証言者たちから汲み取れるこの家族の姿に、どれが真実なのかハラハラするが、その結末はおおむね予想通り。母から娘に継がれる処女懐胎の奇跡や、取り巻く者たちの狂気など、その雰囲気に浸れたらしっかりと楽しめるはず。2012/11/01
星落秋風五丈原
11
もうちょっとおどろおどろしいのを想像してました。2024/05/17
混沌工房
7
題名と不気味な表紙(横顔は大人の女性なのに体つきは子供)に惹かれ、他の方のレビュー見たら『ずっとお城で暮らしてる』との相似をあげているのが見受けられたので、読んでみた…が。『ずっとお城…』の方がはるかにいい!! アスラウグ(覚えにくい名前)が狂信的な母親と、社会から隔離されている生活をしている前半はよかったが。母の死後、家を出て伯母のいる教会での暮らし&宗教談義は…う~ん…。ラストもあっと驚くどんでん返しはなかったし。ルーンはただのヤリ○○(下品な言い方で失礼)。基本的な設定は嫌いじゃないんだけどな~。2013/05/01
green tea
7
面白かった 不思議な本 うーん ミステリーっていうか 昔の話みたいだけど現代の話で 幻想的な雰囲気だけでもすごい良かった どろどろなんだけどそこがいいのよ2012/11/08
barabara
6
表紙に惹かれてトライ。現代とは思えぬ原始的な生活を営み、唯一の対人である母親の価値観のみが与えられた主人公、宗教や植物の知識が皆無なので、ともすれば幻想世界のような本書は半分も理解はできなかったのだが、ただただ主人公が可哀想で。親は選べない、あまりにもいい子すぎるので世界さえ違えば…と、不憫だ。2012/11/06