出版社内容情報
秋先という花好きの老人が庭で花を育てましたが、ある日、その花は悪い男たちにへし折られ踏みにじられてしまいました。老人が花を元どおりに戻すという中国の不思議なお話です。
<読んであげるなら>5・6才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
65
松岡享子さんが幼い頃に読んで感銘を受けた物語を、自ら絵本にしたものだそうです。古き良き中国の雰囲気。中国人作家による美しい挿絵が魅力的。勧善懲悪、二転三転するストーリーで面白かったです。日本の昔ばなしと少し異なる、歴史と幽玄な美しさを感じました。2023/05/14
chiaki
28
村人たちから「花きちがい」と呼ばれるほどに花々を愛でる秋先。庭には四季折々の花が咲き誇り、その限りある命に「おとむらい」をする。あるとき、秋先の花園に役人の息子で乱暴者の張委がやって来て…!!松岡さんが子どもの頃に繰り返し読んだ中国の昔話で本当はもっと長いお話のようですが、読み聞かせのために簡潔に書いたものだそう。挿絵もとても美しい。悪事を働いた者には必ず天罰が下される!秋先の最後がとても印象的。2019/03/24
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
16
中国の昔話。松岡享子さんが幼少の頃読んだおはなしを、語るために書き直した本。花きちがいと言われるほど花を大切にしている秋先、そこへ張委という乱暴者がやってきて、大切な庭をめちゃくちゃにする。失意のどん底の秋先のもとへ、謎の女性が現れ元通りにしてくれるが…。2019/08/26
風香
9
花を愛する老人・秋先は花を丹精込めて育てた見事な花園を悪者に荒らされる。見かねた花仙人が花園を再生してくれるのだが、更に悪者が悪計をめぐらして秋先を窮地に陥れる。最後は、悪事を働く者達に天罰が下る。 気持ちの良い、中国の勧善懲悪の昔話。 挿絵も美しく復刊が望まれる。2018/12/16
ヒラP@ehon.gohon
8
奥さんを亡くして独り暮らしの秋先は、花をまるで自分の奥さんのように大切にしていました。 変わり者のような生活が、邪心溢れる荒くれ張委によって踏みにじられます。 欲の固まり張委と無欲な秋先の対比が、悪と正義構造になっています。 花の精の登場が、中国らしいと思います。 言われない罪で断罪されそうになった秋先ですが、自身仙人になれて幸せだったと思います。 松岡享子さんの思い入れの込められた再話です。2015/08/21