出版社内容情報
ひとりぼっちのおおかみは、仲間を求めて、ぶたの町、うさぎの町、とさまよいますが、どこへ行っても仲間はいません……。今までの絵本にはない、斬新なテーマに取りくんだ意欲作。
<読んであげるなら>3才から
<自分で読むなら>小学低学年から
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
343
ささきまき作・絵。たった一匹だけ生き残ったおおかみ。仲間探しの旅に出る。うさぎにはうさぎの仲間が、やぎにはやぎの仲間がいるけど、おおかみはどこにもいない…というロンリー・ウルフのお話。主人公のおおかみはシャドーで描かれる。背景はヨーロッパの街(しいていえばドイツか)。とっても雰囲気が出ていていい感じである。やぎの修道士たちが並んで教会に入って行くが、これがまたピッタリきまっている。ぶたの青空市も、うしの晩餐の光景もいい。2024/08/24
やすらぎ
231
この世界に残った最後の狼は、いるはずの仲間を探して今もどこかを彷徨い続けているのだろうか。日常はいつも通り賑やかに流れているように見えるけど、どこを探してもいないんだ。あとひとりでもいたら温かい料理だって一緒に楽しむことができるのに。こんな姿でなければ誰かと楽しむことができるのに。いると思うから辛いのなら、いないと思うしかないのかな。そう思うと少しは心が愉快で楽になった。なんでこうなったの。なぜわたしだけ。心の置き所を探して、温かな明かりの隙間を下を向いて歩いている。孤独さえも感じなくなってしまった物語。2023/02/05
匠
176
なんというロンリーウルフ。せつなくも深い絵本。マイノリティとマジョリティ、学校や会社で孤立する人と周囲、いじめという捉え方もあるだろう。ここで大事なのはおおかみが仲間を欲しがってるという本音。自ら好き好んで孤独を選んでるわけではないということ。そしておおかみが「やっぱり自分はおおかみだからな」と諦めざるをえない現実の残念さ。でも何度も読み返すとラストの5ページ分は、ポジティブな自己肯定とも言え、多数派に染まらない心の強さを身につけたのだとも思えた。最後のメリーゴーラウンドの絵がまた深い。(コメントに続く⇒2014/09/28
masa@レビューお休み中
161
絵本カフェで見つけて…。貪るように読んで…。読み終わった後、なんだかポカーンとした空虚感にひたって…。あぁ、この絵本がすごく欲しいと思って…。よく見たら、元の所有者のイタズラ書きがあることに、はじめて気づいて、購入を断念したんですよね。きっと、子供たちは子供たちで、おおかみのような気持ちになることもあるし、直感的に自分たちを種類分けしていたり、差別やイジメという種類分けをされていたりするのでしょうね。自分がひとりぼっちのおおかみだとしたら…この世界で生きていくことができるのだろうか…。2015/05/19
♪みどりpiyopiyo♪
128
おおかみは もう いないと みんな おもっていますが ほんとうは いっぴきだけ いきのこって いたのです。■ひとりぼっちのおおかみの子。自分に似た子はいないかな と思うけど、どこに行っても なんか違う。■仲間に囲まれ、社会ができている、群れで生きる動物を羨ましく思うけれど、自分はそういう生き物じゃないんだと達観。それでもなお ひとりきりだと悟ったあとに広がる晴れやかな空。■もう「け」って世界に背を向けることはないでしょう。個性的な子や障害を持つ子の心の旅を思いました。( ' ᵕ ' ) (1973年)2017/04/08
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