出版社内容情報
「戦争と平和」を書いたロシアの文豪トルストイによる珠玉の短編集。神は愛である??と喝破したトルストイならではの思想が、民話の装いを借りて、美しく力強く語られます。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学高学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Carlyuke
12
最近ある時に友人がこの本の話をしてくれた。子供の頃に読んだのだろう。桜木紫乃の「砂上」を読んでいるところだったがこちらを先に読み終えた。童話集のようであるがとても深い話だった。友人が話したのは隣人同士が仲良く暮らしていたのに, 息子の代になっていがみ合い, 家が全焼してからやっと間違いを改めるという「火をほうっておくと, 消せなくなる」だった。大悪魔やちんぴら悪魔が出て来る話やほとんどすべてがキリスト教的な民話だ。「イワンのばか」は知っている話かと思っていたがそうではなかった。しっくり来るのでまた読もう。2018/02/12
joyjoy
6
一番好きなのは「二老人」。今回は「人はなにで生きるか」を。100分de名著forティーンズで取り上げられており再読。「神がのぞんでおられるのは、人間がみないっしょになって生きることだ」。「共に」がここにもある。愛は「愛」という言葉にしてしまうと分かりにくい気がする。が、セミョーンやマトリョーナの変化に心が温まるとき、わたしたちが感じ取っているのは愛なのだろうな。 今朝、広島市長の平和宣言のなかにトルストイの言葉が出てきた。この民話を含め、トルストイの作品、じっくりと読み返したくなった。2022/08/03
うさうさ
5
何かうまくいかないなー、争いが多いなっていうときは悪魔の仕業です。妖怪ウォッチみたい(よーうーかーいのせいなのね♪)。人間の良いところ、悪いところがあって良いのだ。それが味わい深いと言ってくれているような本。深いです。子どもたちも大好き。2014/10/10
ありんこ
4
「愛のあるところに、神もある」は、マザー・テレサの言葉とも重なって、とても素敵なお話でした。トルストイを読んでみたいなと思っても、大作は時間がなくてなかなか読めません。この民話集なら、少しずつ読み進められます。エメリアんのたいこ、イワンのばかなど、子どもでも読める作品もあり、おすすめです。2021/08/14
723
2
信仰心をもって生活するという感覚が私にはないけれど、この民話集に描かれている人たちの生き方を見ていると、なんかいいなと感じる。ロシア人の独特の信仰だからなのかもしれないけど、展開が予測できなくておもしろかった。2010/08/09