出版社内容情報
雨の中、さちが木の葉の家で雨やどりをしていると、カマキリ、チョウ、コガネムシも雨やどりにやってきました。小さな虫たちとの交流を静かに描きます。
<読んであげるなら>2才から
<自分で読むなら>---
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
166
ぽつん。女の子のほっぺたにおちる雨。ぽつんぽつん。はなのあたまにおちる雨。ぽつんぽつんぽつん。あっ、ふってきた。でも大丈夫だよ。わたしのおうちがここにあるから。大きな葉っぱ、小さな葉っぱ、いっぱい重なり合って、ぽとんぽとん、滴がおちていく。この草むらには小さな生きものがたくさんいるんだね。カマキリはちょっと苦手だけど、こんにちは。もう少しでやむかなぁ。きれいな羽が濡れちゃうからこちらにおいで。モンシロチョウもやってきて、一緒に雨やどり。空が明るくなってよかった。ちょっと不安だったよね。少女の純真さを描く。2025/03/16
masa@レビューお休み中
97
【再読】しとしとと雨が降る日には、林さんの絵本が読みたくなる。少女のキュートな仕草や行動はもちろん、どこか幻想的で子供時代にしか体験できないような世界観がうつくしいんですよね。ほっぺを指でさしたり、鼻に指をつっこんだり、前屈みになったり…。そんな風景を眺めているだけで、ほっとひと息つくような安らぎをおぼえます。場面転換がないのに、ここまで魅せられるのは、やはり林さんの絵だからこそななんだろうなぁ。たぶん読んでいるうちに少女を見ているのではなく、自分自身が少女になって、この世界を見るようになるんでしょうね。2014/04/29
Kawai Hideki
90
雨宿りの場で繰り広げられる群像劇を通じ「かわいさは正義」と教える絵本。突然ぽつぽつと降り出した雨で葉っぱのおうちに逃げ込む女の子。しかし、そこにはカマキリが先客としていたのだった。そのカマキリに対して女の子がかける言葉は「いや、いや。こっち こないで。あっち むいて。」まるでアメリカ原住民とアメリカ人の歴史が繰り返されているようだ。平和的に向こうを向くカマキリは紳士。以降、葉っぱのおうちは「さちの家」となり、ちょうちょ、こがねむし、てんとうむし、ありなどを傘下におさめていく。娘のコメントは「はっぱはっぱ」2014/07/19
nakanaka
70
突然の雨がもたらしてくれた微笑ましい出会い。木が作ってくれた葉っぱの家で雨宿りをしていたさちが昆虫たちと居合わせる話。心温まる優しいお話です。2020/01/24
がらくたどん
56
世界が緑一色になった梅雨入り前のひと時に。さちちゃんが庭で遊んでいると、ぽつりぽつりと雨粒が。「でも へいき。さちには かくれる おうちが あるんだから」庭の片隅、葉っぱのお家。小さい人だけが知っている自慢のお家。雨宿りしているとさちちゃんよりもっともっと小さい者達がやってきます。ちょっと顔が怖いカマキリに「あっち むいてて」と頼むところが好き。表紙で大事なお家をお掃除するさちちゃん。最後は雨も止んでみんな本当のお家に帰りますが、裏表紙。お道具はそのままで小さなお家は「また来てね」と待っていてくれる。秀作2025/05/23