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内容説明
アラスカ近くの波高い厳寒の海で、アビー・フィールディングは小さなトロール船のへさきに立っていた。目の前には、座頭鯨に向けた捕鯨船の銛が迫っている。海洋生物学者のアビーは、この地球上の命あるものを等しく大切に思い、環境保護活動にかかわってきた。絶滅の危機に瀕した鯨やいるかの保護には特に熱心だ。それで彼女は鯨救済基金の仲間とともに日本の捕鯨船団の航路を阻もうとしていたのだ。しかし、動きを邪魔された捕鯨船がトロール船と衝突し、一歩も引かないアビーはそのまま荒海に投げ出されてしまった。アビーの命が危ない。と、見慣れぬヘリコプターから一人の男が海に飛び込んだ。男は自らも死の危険を冒しながら、気を失った彼女を助け上げた。彼はソ連の海軍将校アレック・ロストフだった。軍規違反を覚悟した彼のこの救出劇は、グラスノスチを推進したいソ連政府からむしろ高く評価され、アビーとアレックスは大変なマスコミ攻勢を受けることになり…。