出版社内容情報
内容説明
紫式部って実は二人いたの?ヒロインの肖像はかぐや姫から着想?式部は藤原道長の愛人だったの?源氏物語は後から挿入された原稿がある?「日本最古の長編小説」に隠された謎に迫る。
目次
第1部 「紫式部」の謎(おぼろに霞む紫式部の人生;紫式部は実在したのか;紫式部の恋;突然幕を下ろした三年余の結婚生活;紫式部と藤原道長の怪しの関係;偉才を生んだ家系と歴史的背景)
第2部 『源氏物語』の謎(謎だらけ「王朝文学の代表作」;果たしてラブストーリー?時代で変わるテーマ性;男女の物語に仮託された歴史小説か;壮大なストーリーはどう構想された;本当に式部一人が書いたのか;男性作家の手が入った可能性を問う;藤原氏全盛時代になぜ源氏の物語が書けたのか)
第3部 紫式部と『源氏物語』の基礎知識(一〇分で読める『源氏物語』全あらすじ;光源氏を愛し、妬んだ女性たち;源氏の父、兄、ライバルたち;『源氏物語』ゆかりの地を訪ねる;千年の恋は現代語訳で発見された)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なかなか
8
大河ドラマは全く見ておりません。源氏物語に取り憑かれた編集者・ライター達が学問的研究や先人作家の考察を紹介。以下、印象的な内容:紫式部の手による源氏物語は存在しない。我々が読んでいるのは後世の人間が多くの写本から復元したもの(の一つ)。そもそも紫式部が作者だという決定的証拠はない。構成、文体などに違いがあり、写本が繰り返される中で複数の書き手が参加か。紫の上系とされる巻だけでお伽話として成り立つ。賛否あるものの、これに玉鬘系と呼ばれる巻が後に挿入されたとする説。匂宮三帖、宇治十帖はそれまでと異質。etc2024/03/23