内容説明
二〇世紀最大の社会学者、マックス・ウェーバー。その青年時代に、ドイツ帝国は世界第二位の工業国へと高度成長を遂げた。だが、イギリス、フランスとの対立は、一九一四年の第一次世界大戦開戦へとつながり、ドイツの敗北をもたらした。ウェーバーが『職業としての学問』の講演を行った一九一七年は、政治も、経済も、社会も、過去の成功体験がまったく役に立たなくなった混沌の時代の中で、新しい生き方を求める若者たちに向けて行われたものである。
目次
現代訳 職業としての学問
特別対談 姜尚中×三浦展
著者等紹介
三浦展[ミウラアツシ]
1958年生まれ。82年、一橋大学社会学部卒業。卒論はマックス・ウェーバーの宗教社会学をベースにした「現代文化の無意味化と無価値化」。同年、株式会社パルコ入社、時代分析雑誌「アクロス」編集長を経て、90年、三菱総合研究所入社。99年、カルチャースタディーズ研究所設立。消費社会、若者の価値観、郊外化、階層格差などを広く分析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くみ
19
20世紀初めドイツ社会学の権威(らしい)のウェーバーさん。1917年にカフェでの演説で当時のドイツとアメリカの学者の待遇の比較から話は広がります。んーでもあれ?なんかすごく後ろ向き?こう小林秀雄的なものを期待してたのですが。。そして巻末の訳者三浦さんと姜尚中さんとの対談で「この人(ウェーバー)の本読んで鬱になりかけた」「軽い鬱だった時この人の本をすごく読みたかった」とか。。おいおい!!凄い人なんだろうけど、素人が気安く手を出し兼ねる 学者のようでした。禁断の扉の中が気になる方にオススメします。2018/08/05
無識者
9
(感想は岩波の方で)今日、比較的有名な本はいくつか役がでて、訳本を読む際にある程度どういう訳を読むか選べるようになった。ドイツ語の原文はどのようなものかわからないが、この訳では行間をあまり考えずに進めることができるが、読めることと理解することは別なのだろう。2017/06/13
フロム
7
兎に角読み易い。読み易い事の成否はあるだろうが、一度手にとってある程度要点を抑えた上で岩波だのの硬い方チャレンジするのは十分ありだと思う。ただ、文章は平易だが内容はなんと言うかつかみどころのないフワフワとしたもの。当たり前だが難解。サクッとは理解できない。いや単純に俺がバカなせいな気もするが。2017/06/29
もちお
6
安易な予言者を待ちわびるのは危険。白か黒か、はたまたグレーかではっきりと分けられるものばかりではなく、どちらかに傾くことなく、緊張を保ち続けるべし。ただウェーバーが言うことを盲目的に信じるのも、安易な預言者を信じるのと変わらない…むむむ。2021/02/18
しかっくま
3
20世紀初頭の講演録を現代訳した本書。「自分らしさ」「やりがい」など、キーワードを今日の日本の若者に刺さる言葉に訳しており、訳書として全体も概ね読みやすい。内容は、「学問を職業にするとは」という講演ながら、現代的な仕事の意味や生きる上で避けられない問題を扱っており、面白い。学問はそれ自身が描こうとしている世界の価値については、何も言えない。異なる神々(=価値観)の闘争である現代社会においては、人は生き方として覚悟が必要で、もし学問に仕えるのであれば、学問は闘争に踊らされない明晰さ・誠実さを提供する、と。2020/09/05
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