内容説明
カール・マルクスらが主導した国際労働者協会(第一インターナショナル)の宣言や決議、演説などを編纂し、詳細な序論を付す。資本主義に立ち向かい、将来社会をめぐって論争した労働者・活動家たちの声が、新たなリアリティをもって現代によみがえる。
目次
序論(マルチェロ・ムスト)
第1部 創立宣言
第2部 政治綱領
第3部 労働
第4部 労働組合とストライキ
第5部 協同組合運動と信用
第6部 相続について
第7部 集団的所有と国家
第8部 教育
第9部 パリ・コミューン
第10部 国際主義と反戦
第11部 アイルランド問題
第12部 アメリカに関して
第13部 政治組織
著者等紹介
ムスト,マルチェロ[ムスト,マルチェロ] [Musto,Marcello]
1976年生まれ。ヨーク大学(トロント)社会学教授。マルクス研究とマルクス主義の復権に近年多大な貢献をしてきた論者として、世界的に知られる
結城剛志[ユウキツヨシ]
1977年生まれ。埼玉大学大学院人文社会科学研究科教授
柏崎正憲[カシワザキマサノリ]
1983年生まれ。早稲田大学人間科学部非常勤講師
塩見由梨[シオミユリ]
1991年生まれ。東北学院大学経済学部講師
吉村信之[ヨシムラノブユキ]
1968年生まれ。信州大学経法学部・大学院総合人文社会科学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sakesage
5
ソ連東欧の崩壊が起きて35年近くが経つが、新自由主義を通じたむき出しの資本主義社会が社会保障制度の削減、貧困や経済的格差は依然として解消されず、新たな資本の増殖を求めて投資や無慈悲な戦争、地球温暖化など問題は山積みだ。その中で160年前に創設された労働者の初の国際組織たる第一インターナショナルの無名な職工や知識人達は何を議論していたか。8時間労働制の実現や社会的共有物である教育や公共交通の無料化を国家が行うべきなど、その根拠も含めて議論していた。あまりにも現代的な課題が議論されていることに驚く。2024/10/19