光源氏になってはいけない―「悪目立ち」せず生きていく作法

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光源氏になってはいけない―「悪目立ち」せず生きていく作法

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  • サイズ B6判/ページ数 263p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784833419840
  • NDC分類 913.36
  • Cコード C0095

内容説明

『源氏物語』は、「脇目もふらずがんばることが、成功の近道とはいえない状況」「プラスにプラスをかさねることが、最後の勝利にむすびつかない社会」を生きぬく知恵に溢れています。紫式部が苦しみと引きかえに手にした叡智を、現代社会のなかで苦闘する人びとに広くとどけたい―。そんな願いから、本書は書かれました。

目次

もてないやつほどよく語る(雨夜の品定め)
女性を幸福にできない「回避依存症」の男(なぜ夕顔は死んだのか)
「わざと軽く見られる」という知恵(恋愛マニアを手玉にとる源典侍)
イケてた人ほど「イタイ人」になる?(中年になった光源氏の悲哀)
覚悟のない人間がリーダーになったら(桐壷帝の悲劇)
優等生が策略家に変わるとき(じつは腹黒い藤壷)
消化試合こそ人生の岐路と思え(明石入道の深謀遠慮)
光源氏と「ジャイアンツの論理」(朱雀帝の逆転ホームラン)
官僚体質がもたらす家族崩壊のワナ(父に似ぬ堅物、夕霧の誤算)
社長にするなら長女、妻にするなら次女(大君はなぜ女子力をうしなったか)〔ほか〕

著者等紹介

助川幸逸郎[スケガワコウイチロウ]
1967年生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、横浜市立大学のほか、早稲田大学、東海大学、日本大学、立正大学、東京理科大学などで非常勤講師を務める。専門は日本文学だが、アイドル論やファッション史など、幅広いテーマで授業や講演を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

宇宙猫

24
★★★★★ 源氏物語の登場人物から世の中を渡っていく教訓を得る。という体裁だけど、それより歴史的解釈から読み解く源氏物語という面が面白い。得意な楽器が人物を象徴し、着ている服で身分や優越感を表しているとか、恋愛の裏に権力基盤の強化が見え隠れするなど、当時の人が当たり前に読み取っていた部分が良く分かった。こういう部分は、A・ウェリー版のような翻訳では変質してしまうんだろうか。古典って奥が深い。2021/01/01

べる

18
古典知識が学べる上に、筆者の使う言葉のセンスを楽しんで読了。光源氏や『蜻蛉日記』の藤原道綱母の夫、兼家のように回避依存症を相手にする時は、わざと軽く見られることが必要なのだと源典侍から学ぶ。才色兼備で努力家の完璧な女性には逃げ腰になってしまうのか。頭の良い優等生の藤壺は桐壺帝への復讐心があって実は腹黒かも。ついには被害妄想にとらわれた浮遊霊となって一番不幸な人物だったのでは。浮舟は色々な人から愛されているようで本当は誰からも愛されなかった。ラストは薫が人間不信を読者につきつけたのか。読みの視点が広がった。2024/01/11

吟遊

13
源氏物語を専門とする著者が、現代の俗っぽいおもしろ話(身の回りにある逸話)と源氏物語のワンシーンを取り合わせて、そこから人生訓を引き出す、というユーモラスな本。可笑しいし、それでいて身につまされる。。。2018/09/04

歩月るな

7
解説本として、やはり独特の見地から平易に優しく語ってくれているので親しみが持てる文章。ウェブ連載の加筆訂正なのでそこはかとなくエッセイ風味。エッセイについての記述も十一章にあるので。時代の文化、仕組みや地位だけでは無く、衣装からもそれを窺う事が出来る。こういう視点はよほどその時代の風俗に興味が無ければなかなか持ちにくい所だけれど、説明があるというのはありがたい。源氏物語はやっぱり「学ばされるもの」として受容してこざるを得ないブツであって、興味関心も印象も変わってくる。やっぱりこう言う本も時には読みたい。2016/04/30

ず〜みん

7
どうして私は光源氏の行動にイラっとするのか、という長年の疑問がすっきり解決しました。平安時代だから許されたけど、今の日本に居たら仕事はちょっと出来るかもしれないが、服装がイタく、後輩、女性陣から全く人望がなく、古女房も呆れて息子はプチ鬱、みたいな現代病の巣窟の様な人だったのでしょう。日本文学専攻だけあってわかりやすく、出典も読んでみたくなりました。下手なビジネス書読むよりはこちらを読んだ方が教養も自己啓発もできるかも?2012/07/31

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