内容説明
鉄道史を扱う書籍というと、鉄道ファンの眼から見た鉄道敷設の歴史や鉄道車輌の発達に関する記述が主体となる場合が多く、専門的知識が必要だと思われることが多い。本書では、鉄道路線や駅そのものが持つ歴史はもちろん、もう少しその対象を広げて取り上げてみた。つまり、路線や駅を取り巻く事象や歴史、文化、人物、災害、戦争なども対象とした。(本書「はじめに」から)
目次
東三河の駅(大嵐駅―静岡県内にある旧富山村への玄関口;湯谷温泉駅―若山牧水が泊まった駅 ほか)
西三河の駅(三ヶ根駅―三河地震で起きた地震断層;中島駅(廃止)―大正天皇の大嘗祭がおこなわれた悠紀斎田の最寄駅 ほか)
知多の駅(大府駅―終戦後も飛行機が飛んだ大府飛行場;亀崎駅―最古の駅舎か? ほか)
尾張の駅(豊明駅―旧東海道「阿野の一里塚」;中京競馬場前駅―名車パノラマカーが保存されている ほか)
名古屋の駅(有松駅―かつて捕虜収容所があった;鳴海駅―今は昔、鳴海球場への玄関口 ほか)
著者等紹介
藤井建[フジイケン]
1946年、岡崎市生まれ。NPO法人名古屋レール・アーカイブス、中部産業遺産研究会、岡崎地方史研究会会員。所属する団体の会報のほか、地元紙、鉄道雑誌へ投稿している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
えすてい
6
廃止された路線・駅や停留所も含めて、愛知県の駅やその地域にまつわる郷土史の本である。江戸時代末期の渥美半島出身漂流民のアメリカでの鉄道乗車記や、愛知環状鉄道北野桝塚駅近辺が戦時中海軍の飛行場だったことや(戦後は味噌製造会社に払い下げられる)に、八事の霊柩電車(一柳葬具店のイラスト掲載)、名古屋駅の位置の移り変わりなど、地元ネタで溢れている。2022/06/30
月華
3
図書館 2022年発行。2022年は新橋ー横浜間に鉄道が開業して150周年、愛知県が誕生して150周年の年になるそうです。表紙は名鉄電車の沿線案内とのこと。1952年から1953年前半の発行と思われるそうです。裏面は観光地が紹介されているそうです。駅にまつわる歴史本という感じがしました。2022/08/26
三浦正
1
凄く丹念に 歴史データを調査分析の上 編集された良本だ!と思った。 著者は私より2歳上 1946年生まれ 私も名鉄沿線に生まれ 長く住んでいるが、全く知らない鉄道史を知ることが出来た。 例えば、①有松駅に近くに終戦まで捕虜収容所が、、②戦時下 食糧増産の糞尿輸送、、③現名鉄 有松−知立間の1923年開業始め 多数!! 県内の廃線廃止となった駅を含め 国JR線・中小私鉄等・名古屋市電等を網羅的に歴史を紹介してる。前後駅のページがなかったのが残念!名鉄鳴海・有松・中京競馬場前・豊明・知立あるのに 2025/10/07
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