内容説明
当時の被害状況を記したかわら版すごろく「諸国大地震大津波末代噺」を絵解きする。幕末の日本を襲った巨大地震。その時、何が起きたのか?
目次
諸社御千度
大阪ゆり出し
京町堀
五日夕方 諸方混雑
諸方井戸屋形・釣鐘堂
諸方くだけ
大黒橋津波、亀井橋そのほか落橋
清水・天王寺・玉造
新田舟入り流れ混雑
越前敦賀地震、そのほか北国〔ほか〕
著者等紹介
石川寛[イシカワヒロシ]
昭和46年、石川県生まれ。博士(歴史学)。専門は日本近代史。現在、名古屋大学大学院人文学研究科准教授
平井敬[ヒライタカシ]
昭和61年、大阪府生まれ。博士(工学)。専門は地震学、地震工学。現在、名古屋大学減災連携研究センター助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さちめりー
1
まじめ一辺倒ではない江戸時代庶民のスタンスが大好き。大地震のお陰で仕事に恵まれると「なにが銭もうけの種になるやら」と笑い「災い転じて福となす」たくましさを見せる。地震のときに唱える呪文「世直り世直り」や「目出度い目出度い」もおもしろい。養老先生も2038年頃に起こるとされている南海トラフ地震が起きたらいわゆる「世直し」されるのではと話していた。宝永地震での津波で悲劇が起きたのにもかかわらず147年後の安政南海地震で同じ場所で同じ悲劇が起こってしまったために立てられた、今でも保たれている碑に胸が熱くなる。2022/05/15
わ!
1
歴史サークルで行った、双六の講義の資料としては間に合わなかったのですが、私が行った講義の後半はまさにこの本の様な「すごろく」の読み解きで、その後に双六を皆に回し見する時には、このすごろくも加えさせていただきました。 ただこの本の内容は、双六を読む…というだけで、双六に関する解説は数ページ程度であり、あくまでも「安政の大地震」の話しがメインです。2022/02/23