内容説明
地図から読む“清流の国”いまむかし。多彩な鳥瞰図、地形図、絵図などをもとに、そこに刻まれた地形や地名、人々の営みの変遷をたどると、知られざる岐阜の今昔物語が浮かび上がる!
目次
1 ふたつの城下町がコナベーション(連接)した県都・岐阜
2 輪中の城下町―宿場町―湊町の重層構造の水防都市・大垣
3 牛車にひかれてゼロ戦は各務原飛行場へ―黒ボク土の台地から公園都市に
4 和紙と卯建の町・美濃―長良川川湊の繁栄
5 美濃の陶都・多治見―織部のふるさと
6 岐阜県政発祥地・笠松陣屋―木曽川水運で栄えた川湊
7 郡上踊りの郡上八幡と分水界のひるがの高原「ジオパーク」
8 女城主の城下町・岩村―廃線地をたどる
9 生きている博物館・高山―下下の国から観光都市へ
著者等紹介
伊藤安男[イトウヤスオ]
1929年、名古屋市生まれ。立命館大学文学部地理学科卒業後、岐阜県高校教員、花園大学文学部史学科教授などを経て、花園大学名誉教授(文学博士)、岐阜地理学会名誉会長。輪中研究の第一人者として知られる。2010年、岐阜県教育長章受賞。2011年、岐阜県知事賞受賞。2012年、日本地理学会賞受賞。2013年、地方文化功労賞・文部科学大臣賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Akihiro Nishio
16
マニアックな本であった。岐阜県は国内藩8藩、国外藩3藩、旗本領70余、さらに幕領の入り組む、日本でも例外的に分割統治された複雑な場所なので情報量が多く、住んだことのある岐阜、高山でもついていくのが精一杯である。また、今となってはピンとこないが、岐阜の歴史は水害対策の歴史であることがわかる。本としての難点は、分担執筆であるため用語が統一されていないこと。例えば、。天領と幕領という用語が混在して用いられているため非常にわかりにくい。2016/07/24
Ryuji Saito
0
2017年96冊目。 気づいた時には品切。 中古本サイトで入手。 重版してほしい1冊。 2017/09/19
まのん
0
ルイス・フロイスが『イエズス会日本年報追加』で本能寺の変を“信長にデウスの天罰が下った”と論難してると記述があるけど、別ソースでも確認してみたい。 今年閉店してしまった岐阜高島屋周りの柳ヶ瀬が賑わっていたころの話もたくさん載っている。 YouTubeで廃墟商店街のように扱われるが戦後を生き抜いてきた岐阜繊維問屋街や、湧き水が豊かでいま訪れるよりずっと広く水運が巡っていたが水害とも縁が切れない大垣の歴史についても触れられている。 各務ヶ原パートもあって、零戦が牛車で運ばれる理由や道中の話もおもしろかった。2024/12/16