内容説明
苦難をにない、進んで人質となった利家の正室・芳春院(まつ)は、百万石を築いた「国母」と言うべきだが、一方で嫁や養女にいたるまで、皆々わが子としていつくしむ「慈母」の風儀を残した。たとえば、戦乱のせいで婚家から戻ってきた豪姫や千世姫がいる。理屈をつけて責める者もあったが、前田家では生還を喜び、優しく引き取った。他家ではちょっと見られない風儀である。実のところ、前田家三代に関わる女性たちの多くは、華やかで悲しく、かつ数奇に富んでいる。彼女たちの足取りは、前田家草創の歩みそのものと言っていいだろう。本書は、加賀藩の研究者の皆さんが、新視点によって語られた貴重なものである。前田家の歴史に、新しい発見があるに違いない。
目次
文学にあらわれる前田家の女性たち―豪姫・その夫婦愛をめぐって(秀吉にかわいがられた豪姫;沢橋兵太夫の直訴 ほか)
徳川幕府と前田家の妻たち(前田家の創業と守成;利家の雄飛 ほか)
シンポジウム 前田家三代の女性たち(創業者の家族の結束;出版ブームと豪姫伝承 ほか)
資料編(「前田家三代の女性たち」人物事典;「前田家三代の女性たち」関係系図 ほか)
感想・レビュー
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- 和書
- ラーメンかあさん