内容説明
臓器移植は、もはや人類にとって避けられない課題である。人間として、どのようなスタンスでこの課題に臨めるのか。「人の生き死に」とは?「人間の尊厳」とは?「クローン人間」の産生は可能?仏教者の立場から模索しつつ、今あなたに問いかける書。
目次
生死を見つめる視点
第1章 生の中の死・死の中の生―生死一如の立場から(誕生と死を考える仏教の立場;基本的な三つの視点;誕生のプロセス;死のプロセス;仏教の立場と現代社会)
第2章 「人間の尊厳」の仏教的解釈―空と縁起の立場から(「尊厳」とは何か;西洋的な「尊厳」の解釈;仏教的な「尊厳」の解釈;「あたりまえ」をあたりまえに)
第3章 臓器移植問題に対する仏教者の立脚点―個々人の苦しみの立場から(臓器移植問題再考の意義;二者択一的回答の排除;それぞれの立場の拠り所)
第4章 「人間の尊厳」の現成と否定―生死の学の立場から(一九九七年の三つの出来事;脳死と死の「自己」決定権;クローン人間産生と予見可能性;人殺しの禁止と五戒の理念)
著者等紹介
木村文輝[キムラブンキ]
1964年静岡市に生まれる。1988年名古屋大学文学部卒業。1988年~1989年インド・プーナ大学大学院留学。1995年名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了、同年名古屋大学より博士(文学)取得。愛知学院短期大学講師、助教授を経て、愛知学院大学教養部助教授、同大学禅研究所研究員、静岡刑務所教誨師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。