真宗入門

タナカ，ケネス【著】〈Ｔａｎａｋａ，Ｋｅｎｎｅｔｈ〉/島津 恵正【訳】

法蔵館（2003/04発売）

• サイズ B6判／ページ数 293p／高さ 20cm
• 商品コード 9784831820556
• NDC分類 188.7
• Cコード C0015

内容説明

ブッダがさとり親鸞がめざめた真理とは。Ｑ＆Ａ・他宗教との対話形式で、仏教の思想を説き明かした、アメリカでの浄土真宗入門『Ｏｃｅａｎ』の待望の翻訳。アメリカでの親鸞入門書。

目次

海（オーシャン）の喩え
第１部　基礎（仏教の核心―木の幹；今日の仏教―個人的見解　ほか）
第２部　遺産（親鸞―つつましき改革者；歴史的遺産―インドからアメリカへの十大事件　ほか）
第３部　精神（スピリチュアルな面―信心というめざめ；大いなる海と溺れている自己―私の視点　ほか）
第４部　行動（業―なぜ善人に不幸が起きるのか？；行い―日常の行動と社会参加　ほか）

著者等紹介

タナカ，ケネス［タナカ，ケネス］［Ｔａｎａｋａ，Ｋｅｎｎｅｔｈ］
１９４７年山口県生まれ。日系二世の両親と１９５８年渡米。スタンフォード大学卒（文化人類学ＢＡ）。米国仏教大学院修士課程修了、Ｂｅｒｋｅｌｅｙ，Ｃａｌｉｆｏｒｎｉａ（仏教学Ｍ．Ａ．）。東京大学大学院修士課程修了（印度哲学　修士）。東京大学大学院博士課程退学。カリフォルニア大学（バークレー校）大学院博士課程修了。哲学博士（仏教学Ｐｈ．Ｄ．）。北カリフォルニア仏教連合会長。国際仏教キリスト教神学対話会評議員。１９８４年Ｇｒａｄｕａｔｅ　Ｔｈｅｏｌｏｇｉｃａｌ　Ｕｎｉｏｎ，Ｂｅｒｋｅｌｅｙ，Ｃａｌｉｆｏｒｎｉａ准教授。１９９８年武蔵野大学教授、現在に至る

島津恵正［シマズエショウ］
１９５３年広島県生まれ。水産大学校中退。龍谷大学文学部卒。ハワイ大学大学院修士課程修了（宗教学Ｍ．Ａ．）。龍谷大学大学院博士前期課程修了（仏教学修士）。現在、私立大学事務職員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[うえ]

対話風の講義。「ユダヤ人をキリストを殺害した人種と見る原理主義的なキリスト教の教会は少なくありません。このような偏見はキリスト教徒側だけではなく、ユダヤ教徒側にもあり、同じような気持ちを抱いています。例えば、ユダヤ教徒は、子供たちがキリスト教に改信することを極力嫌います…興味深いことは、この授業が三つの宗教の対話であったにもかかわらず、実際は、我々仏教徒が大いに、キリスト教徒とユダヤ教徒の間の媒介人という役を果たしていたこと…歴史的葛藤がほとんどなかった仏教徒は、両者にとって話しやすい相手であったのです」

2025/04/21

[じゃくお]

この本は日系三世のアメリカ人であるケネス・タナカ氏が執筆しており、西洋諸国へ向けた真宗の入門書です。対話方式で進行していくため非常にわかりやすい。また、比喩を多く用いている点にも作者の苦心がうかがえる。私が日本の門徒を代表するのは烏滸がましいが、本書は日本の真宗とはやや色味が異なるように思える。日本仏教にありがちな内向的かつ否定的な姿勢とは異なり、常にポジティブで他者への愛に満ちた姿勢をとっている。しかし、そのあまりにポジティブな姿勢には若干の違和感を覚える。　コメントへ

2020/12/16

[ワッキー提督]

非常にすっと入ってくる感じの一冊であった。現代における問題を考える上では、アメリカから見た視点である本書の視点の意義は大きいのではないか。

2015/01/01

[按摩沙弥]

親鸞聖人の教えが、海を渡り青い目をした人々の問いから、人類が共に浮かぶ普遍の青い海へ導く。