内容説明
『論語』は東アジアで二千年以上も読み継がれた。それは数知れぬ先人たちの読みと、そして解釈の堆積であり、痕跡でもある。その『論語』を17世紀京都の市井の儒者伊藤仁斎が、古学の眼をもって徹底的に読み直し、再発見した。日常卑近な人間の道を教える吾々の書として―『論語古義』によって仁斎は思想革命を実現した。仁斎がその生涯を通じて『論語』を読み抜いていった記録。
目次
先進第十一
顔淵第十二
子路第十三
憲問第十四
衛霊公第十五
季氏第十六
陽貨第十七
微子第十八
子張第十九
堯曰第二十
著者等紹介
子安宣邦[コヤスノブクニ]
1933年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科(倫理学専攻)修了。文学博士。大阪大学名誉教授。日本思想史学会元会長。専攻は日本思想史、倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きさらぎ
3
仁斎の読みを味わい、著者による仁斎の読みの評釈、そして時にこき下ろすといっていい強い口調で語られる徂徠論語や吉川論語等、各論語との比較。下巻にいたって著者の筆もノってきたのか、縦横に語られる論語談義が楽しい。勿論仁斎批判もある。「論語」というテキストとは二千年にわたる東アジアにおける論語解釈と受容の痕跡である、と著者は言う。論語の「原典」を直接読解出来ない我々にとり、(卓越した)読み手と共に論語を読むという作業は、そのテキスト性を再認識させられる非常に刺激的な体験であるという気がする。2018/05/17
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- 和書
- 河内本源氏物語校異集成