内容説明
「空間の表象」を特集の主題とした本号で多くの論者が「境界」をめぐって問題構成していることは、けだし当然だといえよう。一国の「境界」付けによって成立する歴史叙述が、思想史的叙述が、問い直されなければならぬものとして20世紀はあったのだから。
目次
一国的境界言語の表象
アジールの変容
歴史の空間、言語の時間―日本語史と方言の思惟
人間の「境界」
幕末海防論と「境界」意識―「志士」集う「場」を中心に
「石化した葬墓地」と違和する遺体―石塔・自然葬・死体遺棄をめぐる風景
文化帝国の神聖領土空間
近世地域システムから見た日本の自‐他関係言説の変容
『竹島考』ノート―ある鳥取藩士の竹島(鬱陵島)認識
海防論再考
儒教的普遍と日本的(内部)の形成