内容説明
徒然草は何を母胎として誕生し、何を生み出したのか。成立前後の文学的状況や先行作品との関連のなかに、徒然草誕生の秘密を探り、各時代の徒然草像・兼好像の変遷を追跡する。文学の誕生と展開。
目次
第1章 徒然草の誕生―その生成の背景(歌学書との接点;中世神道思想との通底;武家家訓との共振)
第2章 徒然草の展開―その享受史(徒然草以後;近世初頭の享受;『長生のみかど物語』と徒然草;『四季物語』と徒然草;近世謡曲と徒然草)
第3章 近世兼好伝―新たなる創造(近世文芸にみる兼好像;兼好伝説とその展開;『兼好諸国物語』概説;『種生伝』の翻刻と研究;『兼好法師伝記考証』概説)