内容説明
中国の経済発展は目覚しい。それは眩いばかりの光を放っている。だが…。本書は、こうした発展を辿りつつ、それが生み出した「陰」の部分、これまでに形成された組織の水ぶくれ体質やこうした余剰人員の解消によって生ずる大量の失業、深刻化する年金問題、不備な失業保険や年金保険、医療の厳しい現実など庶民を苦しめる発展の裏側を探る。
目次
第1章 経済発展の10年―その体験的点描
第2章 改革開放政策の進展
第3章 就業保障政策の矛盾
第4章 就業保障政策の転換と失業の増大
第5章 中国企業の余剰人員対策―経営改革と福祉の行方
第6章 失業保険制度の成立とその弱点
第7章 年金制度の変遷と高齢者の福祉―中国経営改革のインパクト
第8章 中国における養老保険制度の構想と現実
第9章 医療保証の変貌と医療保険の現状―市場経済化のインパクト
著者等紹介
沈奇志[シェンチーツー]
杭州大学(現浙江大学)で日本語を学び、北京外国語学院日本学研究中心(大学院)で、日本の社会・文化について学ぶ。来日して日本経営論を学び、のち清華大学で教鞭をとる。再来日のために退職。中国の社会と経営、および、企業経営行動と文化との関わりに関心を持つ。日本福祉大学で非常勤講師を務めたが、研究に専念するため退職、現在にいたる
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