内容説明
本書は、現在に至る部落問題の解決過程の道筋と、「部落差別解消推進法」の矛盾、問題点などを明らかにした。この「新法」は「部落差別」とは何かの定義もないまま、「部落差別」が今も存在することを前提として、部落問題をいつまでも存続させることを意図したものです。部落問題解決に向けて日々運動に関わる方々の活動資料として大変有用です。
目次
第1部 部落問題解決の道程(体験的に見た部落問題解決の道程)
第2部 部落問題の解決はどこまで進んだか(社会調査から見た部落問題の解決過程;広島市福島町における解決過程をどう見るか;滋賀県・日野町における部落問題の解決過程;和歌山県・白浜町における部落問題の解決過程)
第3部 「部落差別解消推進法」の批判(憲法からみた「部落差別解消推進法」の問題点;部落問題解決の到達点と「部落差別解消推進法」の問題点;「部落差別解消推進法」をめぐる状況と運動課題)
資料 部落差別の解消の推進に関する法律(2016年12月16日公布 法律番号109)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はづき
13
差別に心をいためながらも、すさまじい暴力と利権の話を聞くと一歩引いてしまうので読んだ。▼歴史的経過として分かったので、自分のなかでの軸がちょっと定まった。大事だと思ったこと。①部落差別は当事者はじめ地域住民など様々な人の努力があったからこそ解決方向にある、②立法・行政の介入は慎重にすべき。▼この法律しかり、私は、権力の濫用に対して警戒心が強いので、性暴力の刑法改正や教育・表現に対する権力の介入には慎重派。問題解決のために何が必要かは勉強中で、ときには、法規制するしかないんじゃないかって気分も生まれるけど。2020/02/11