内容説明
雲は、それ自体が私ではありません。雲を浮かべている青空、それが私です。青空としての私。このことを本当に実感したとき、心に積もっていた苦しみも、心を離れない悩みも、雲が空に融けるように、ふわっと消えてしまいます。仏教のアップデートを説いて仏教界に旋風を巻き起こしている僧侶による青空の教え。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SOHSA
28
《図書館本》『アップデートする仏教』に続く本書には作者の思いが存分に綴られている。著者の歩んできた道のりは容易に成し得ないものであり、それ故の説得力が滲み出ている。従来の日本仏教を1.0とし昨今注目のテーラワーダ仏教を2.0として両者の対立点を解消する手立てとして3.0を提唱している。それは単なるスローガンやテーゼではなく具体的なメソッドを伴っている。自身が「青空」であることの気づきによって問題は解決すると著者は説くが、一方、M・ガブリエル『世界はなぜ存在しないのか』と併せ読むと更に興味深い。2020/07/29
takeapple
20
『アップデートする仏教』で提唱された仏教3.0について、山下良道師の半生記と、具体的にどうやって思いを手放すのか、瞑想・マインドフルネスって一体何かをわかりやすく解説してくれているんだと思う。ただし、読んだだけで理解できたり、瞑想ができるかというと、そんなことはない。実際に山下師にお会いして伺ってみたが、一朝一夕にできるようなものではないけれど、具体的な方法は山下師のポッドキャストを聞いて、忠実にやってみたりしてほしいとのことである。まあ昔の偉いお坊さんでもゴータマブッダでも長い時間かけて悟ったんだもんね2017/09/01
文章で飯を食う
17
お釈迦さまも道元禅師も、この著者のように理詰めで、仏法を説かれたのだと思う。ただ、周りが理解できなかっただけなのだ。幸い、現代は情報の伝達手段が発達し、自分のような田舎暮らしでも、この本を読むことができる。後は、実践だけだな。2017/02/04
erierif
11
物心ついた時から…と言うように絶えず何らかの物心が頭の中を流れている。それは心、思い、考え、意識、時には映像だったり、音楽だったりする。その物心をどう整理するのか。青空と雲の例えですっきり整理されていく。自分の主体をどこに意識するかでかなり余分な悩みが解消され、問題の本質に集中して取り組めるだろう。仏教、瞑想のみではなく生きる「智慧」まで物心を展開できるよう分かりやすい言葉で書かれている。現代に生きる宗教とは何かも考えさせられた。2016/11/30
nizimasu
11
著者のお坊さんは今や注目の人なんだけど、曹洞宗から上座仏教へ。その後もアメリカで出会ったマインドフルネスを求めていくというストーリーは、僧侶としてのそれよりもまるで救いを求めるスピリチュアルな人の道程の物語である。オウム事件後に、日本にも一般的に紹介されるようになった上座仏教と大乗仏教の矛盾を乗り越えていこうというスタンスを仏教3.0と称して実践や悪戦苦闘していく様子は、なんとも壮絶。ただそれ以上にオウム事件の時に感じたグルへの絶対性や他力とも本願とも違う黒い雲や白い雲が消えた状態=青空として定義していく2015/01/08
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