内容説明
平和維持、人道援助、開発援助などの国際活動は文民組織と軍隊が協力して問題解決にあたる「民軍協力」が主流となっている。民軍協力の先駆者、米軍に焦点をあててその生成と発展過程を丹念に追う民軍協力のあり方に関心を持つ研究者、国際機関やNGOなどの実務家にも最適な道案内の書。
目次
第1章 民軍協力の源泉(戦争法上の義務と軍政;ドイツ占領;日本占領)
第2章 民軍協力の挫折と再興(ベトナム戦争の教訓;低強度紛争戦略と民事活動)
第3章 民軍協力の生成と展開(イラク北部クルド人難民保護;ソマリア人道復興支援;ハイチ軍事介入)
第4章 民軍協力の発展と充実(ボスニアの国際平和活動;コソボの国際平和活動)
著者等紹介
小柳順一[コヤナギジュンイチ]
1955年生まれ。防衛省防衛研究所図書館史料室所員。1978年防衛大学校卒業(管理学)、2001年防衛大学校総合安全保障研究科修了(社会科学修士)。在バングラデシュ日本大使館二等書記官、情報本部電波部班長、防衛庁防衛研究所研究部所員、防衛大学校准教授などを経て2009年から現職
川村康之[カワムラヤスユキ]
元防衛大学校教授、戦略研究学会常任理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いろいろあるんね2016/02/19
ヒトハバレイ
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本邦でも近年、民軍関係の語が聞かれるようになった。平和構築をはじめとして日本が国際貢献に携わる上で、現在進行的に欠くべからざる概念であるが、ハード・ソフト共にノウハウで最先端をゆくのはアメリカである。国連やNGOなどの文民組織との連携あるいは関係を、第二次大戦から今日に至るまで米国の活動を一例として紹介する良書。2012/06/28
ひろし
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予想していたテーマとは少し違ったが、なかなか面白い内容だった。軍隊が戦争をするだけの組織から変わりつつある、と最近よく聞くが、すでに第二次大戦、ベトナム戦争の頃から始まっており、ハイチ、コソボ紛争でも軍隊がNGOと協力して国家の復興を行っていたというのは、興味深い。「国家の本質が暴力の管理にある」ことの一面とリンクしたのも面白く、暴力の管理できなくなった状態を、外の暴力で管理し、暴力の管理体制を作りあげるという構図にすごく納得した。2012/06/17