内容説明
そのルーツとなった陸戦史を概観し、ドイツ・ソ連・イギリス・フランス・アメリカ・日本の機甲戦理論の形成を詳述し、さらに現代の機甲戦までとりあげる。
目次
第1章 機甲戦前史及び序説(陸戦の発達と機動戦;機甲戦序説)
第2章 機甲戦理論の形成と発展(ドイツ軍の電撃戦理論の形成と発展;ソビエト赤軍の縦深戦略理論の形成と発展 ほか)
第3章 日本陸軍の機甲の発展(第一次大戦の影響;日本陸軍の戦術教義と機械化 ほか)
第4章 現代の戦争と機甲戦(現代の戦争とその概観;現代のドクトリンと機甲部隊運用 ほか)
著者等紹介
葛原和三[クズハラカズミ]
1950年生まれ、陸上自衛隊幹部学校戦史専門教官、一等陸佐、機甲科。1965年陸上自衛隊少年工科学校入校、1974年北海学園大学卒業、機甲科部隊では、戦車教導隊(小隊長)、第7師団(師団長副官)、第73戦車連隊(中隊長)、第11戦車大隊(大隊長)などで勤務する傍ら、幹部学校指揮幕僚課程、筑波大学史学研修後、幹部学校(戦史教官)、防衛大学校(助教授・教授)、防衛研究所戦史部(所員)及び現職において戦史教育を担任
川村康之[カワムラヤスユキ]
前・防衛大学校教授、戦略研究学会常任理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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無重力蜜柑
10
陸軍の戦術や戦略に興味が出て手に取ったが非常に良かった。機甲とは何か、有効な運用方法とはどういうものかといったことを、一章で理論的に語った後に第二次世界大戦期の欧米、大日本帝国、冷戦期とそれ以後に分けて紹介している。「突破」「包囲」「迂回」の発想の違いや「自動車化」「機械化」「機甲化」の違い、装甲輸送車と装甲戦闘車と自走砲と主力戦車の違いなど、実は雑に使いがちな言葉の違いを説明してくれる。ソ連の満州侵攻が第二次世界大戦の集大成だったとか、冷戦期に大規模な機甲戦が発生したのは中東だけとか、知らぬことが多い。2022/10/22
akiakki
4
序説で「機甲とは」「機甲戦とは」「機甲戦理論とは」と定義を明確にしたうえで、独ソ英仏米日における機甲戦理論の進展を解説しています。図や写真が多く、文章も簡潔なので非常に読みやすい。電撃戦や縦深戦略理論といった戦闘教義は発案者の趣味や思いつきではなく、その国の地理・地政学を前提として生まれる、もしくは最適なものが採用される文化に近い物だった。これを理解していないと「あとがき」で著者が述べたようにドイツの用兵思想を取り入れる際に術だけを学んで理論を学ばなかった日本陸軍と同じ過ちを繰り返しそう。 2024/02/01
おっくー
4
機甲戦の歴史と理論の発展がわかりやすく解説されている。ドクトリンを研究している人たちが機械化された部隊に対してどのような思惑を巡らせていたか新しい発見が多かった。万人受けする本ではない。しかし興味がある人は是非読んで欲しい一冊。2014/01/29
m.murasaki
3
第2次世界大戦前後の独ソ、米英仏、日本の機甲の歴史の概説的なものです。それぞれのドクトリンがどのように形成されていったかが説明されています。一番ページを割かれてるのは日本ですね。資源的に恵まれ手ない国はまず機動して拘束、包囲殲滅を狙う方向に行くみたいですね。旧日本軍は劣勢でも包囲殲滅を狙って壊滅してるというのを別の本で読んで、何でそんな考えに流れたのかなと疑問に思ってたのがちょっとわかった気になりました。日本もドイツも物理的戦力が足らなければ技術と精神で補おうというところが似てるのが面白いですね。2011/03/08
ushimanm5
2
久々に読み直しを2022/08/27