内容説明
本稿は、21世紀日本における企業スポーツの在り方を展望しようとするものである。20世紀の後半までに、世界に類を見ない形で発展してきた日本の企業スポーツは、今、重大な存亡の危機に直面している。しかも企業スポーツの衰退は、そのまま日本における高度化スポーツの衰退、とりわけチームゲームの衰退に直結している。これを少子化等による学校運動部の停滞状況と重ね合わせる時、我が国における競技スポーツは、まさに今、その重要な社会的基盤を失いつつあると言っても過言ではない。
目次
第1章 企業スポーツ―危機の現在(転機に立つ企業スポーツ;企業とスポーツ―新しい関係の模索 ほか)
第2章 従来型企業スポーツのロジック―台頭・隆盛・衰退のプロセス(企業スポーツの台頭と隆盛;企業スポーツのロジック ほか)
第3章 ヨーロッパ企業のスポーツ戦略に学ぶ(巨大企業の総合スポーツ戦略―ドイツ・バイエル社の事例;ヨーロッパ企業のスポーツスポンサリング戦略―ベルギー・フランダースにおける中堅企業の事例 ほか)
第4章 21世紀型企業スポーツモデルの構想(現代日本における企業の経営課題;経営資源としての企業スポーツの可能性 ほか)
著者等紹介
佐伯年詩雄[サエキトシオ]
1942年(昭和17年)10月26日東京にて生まれる。1968年東京教育大学大学院体育学研究科修了スポーツ社会学専攻。その後、高知大学、東京教育大学を経て1976年より筑波大学体育科学系に勤務する。この間、1986~87年米国マイアミ大学、スペイン・マドリッド大学、ドイツ・ケルンスポーツ大学、英国ロンドン大学にて訪問研究者として研究する。科学研究費補助金国際学術研究を始め、国内外で体育・スポーツに関する多くの調査研究を行う。現在、現代スポーツの文化的特性をメディア論、シンボリズム論等から解き明かそうとしている。実践では、楽しい体育の具体的理論と方法を開発し、学校体育の構造改革を進める。また、大分県スポーツ振興計画「スポルコロス21」、福岡ユニバシアード、かながわ・ゆめ国体等のキーコンセプトとフレーム創りを支援してきた。現在、日本スポーツ体制の構造改革をテーマとしている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。