内容説明
第2次世界大戦後、アメリカとソビエトの2陣営による冷戦構造が出現した。その後自由主義と社会主義の政治・イデオロギーの対立が深まるにつれて、スポーツ界ではオリンピックでの米ソの金メダル獲得競争が激化し、国際競技会は国威高揚の場へと変貌した。しかし、アメリカとともに世界のスポーツ界を長くリードしてきたソビエトは、1991年突然消滅する。1992年8月のバルセロナオリンピック後、ロシアは単独スポーツ体制へと完全に移行した。この国家の消滅という想像を絶する事態に対して、スポーツ界はどのようにしてその国際競技力を維持し、さらに、社会主義スポーツ体制から資本主義スポーツ体制への転換を為遂げたのであろうか。この問題に正面から取り組み、その中間報告としてまとめたのが本書である。
目次
第1章 新生ロシアスポーツ成立の歴史
第2章 ペレストロイカ期のスポーツ改革
第3章 社会主義スポーツ体制の解体過程
第4章 新ロシアスポーツ体制成立期の改革
第5章 新ロシア体育スポーツ教育制度