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内容説明
絵を描く以外これといって取り柄のない高校生の僕・遠藤ユキオにとって、神木円という女の子は異分子そのものだった。憎らしいほど美少女だった彼女の存在は、平凡だった僕の生活をムチャクチャにかき乱した。けして甘い思い出ではない。仲は良くなかった、むしろ悪かった方だ。つまらない誤解が原因で、僕は円から数々の意地悪をされ続けていたのだから。卒業式も近くなったある日、僕は親友の巧から円のことが好きだと告白された。巧に請われるまま、彼が円にプレゼントするための〈円の絵〉を描くことになった僕。放課後、ひとり美術室に残りカンバスに筆を走らせていた僕は、やがてただひとつの事実に気がつく。―僕は、円が好きだった。白いカンバスにひとつひとつ絵の具がのっていくように、ゆっくりとユキオと円の物語が始まる。不器用な少年と少女が描き出す、ピュアで優しく、そして少しだけせつない青春ストーリー。
著者等紹介
ヤマグチノボル[ヤマグチノボル]
1972年2月、茨城県生まれ。『カナリア~この想いを歌にのせて』でデヴュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本夜見
8
初☆ヤマグチ作品。胸キュンな青春恋愛小説は氷室冴子先生の「海がきこえる」を連想させられました。ヒロインがツンな美少女(家庭事情が複雑)という共通点があったから尚更かな? 訃報を知ってからはじめて読んでみたい、と思ったのですが もっと早く読んでみればよかったな…遅ればせながらヤマグチ先生のご冥福をお祈りいたします。2013/06/23
Makos
5
あとがきにもあるように、とにかく普通の恋愛小説。見事にしてやられました。胸がキュンとしてしまいました。作中随所にちりばめられた絶妙な距離感が良いな。2014/12/11
のれん
4
ゼロ魔作者渾身の、「冴えない男と美女の遠距離恋愛」。なんだけど、男の描写の葛藤が上手く冴えないというより理解できる情けなさ、みたいなリアリティのある人物像になっている。 ヒロインの円もツンデレの原型みたいな感じだけど、女の子らしさと面倒くささはきっと一緒じゃなきゃダメなんだろう。それが恋ってヤツだ。 表紙のイメージとは違い、大学生活が大半で少年モアトリムを楽しんだ人にはグッとくる空気感がある。部屋でだらけてた時とか。「げんしけん」をさらに恋愛風にした作風で大変好みでありました。2019/05/09
schizophonic
4
現実にツンデレ娘と付き合ったら、こんなにめんどくさい。ということを骨身に染みて分からせてくれます。ツンデレだけはやめとけといいたくもなりますが、しかし、まぁこんなデレ方されたら、ハマるのもしょうがないわなぁ。2013/01/24
nas
3
あれ? 登録してなかったんだなコレ。ヤマグチノボル作品の中で一番好き。ラノベの恋愛ものってジャンルの中でも一番好き。自分の好みにちょうどいい感じというか、もう完全に決まった感じだった。単行本未収録の円視点のsideBって短編が読みたいんだけど、バックナンバーが売ってないんだよなー。国会図書館行くには遠すぎるし2013/10/13
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