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内容説明
新イタール公国公女ラクシの身代りとして、ティーエはアドリエ王宮の人質になっていた。ティーエとの心の邂逅を拒み続けるアドリエ王イルアデル。〈魂の双児〉たる自らの“能力”に目覚めないイルアデルを、ティーエはただ静かに見守っていた。だが、兄イルアデルを無きものにしようとする妹姫マレシアーナの策謀が、一人の奴隷の少女アナイナを非業の死に陥れる。それはまた、ティーエにとっても辛く悲しい一夜の始まりであった…。国を上げての祭典“海の大祭”を目前に、アドリエの王宮は波乱の予感に揺れ動く。―超人気シリーズ、待望の第7巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エンブレムT
23
目に見えることだけに惑わされてはいけない。たおやかで美しい姫君の望むモノは、救いようのない闇に属するモノであるかもしれない。逆に誰の目にも悪役に映る者の心に秘めたる想いは、とても真っ当なモノなのかもしれない。物語は、国を上げての祭典に向けて喧騒と波乱の予感に揺れる。だが読後心に残るのは、小娘のちゃちな悪巧みと、王の他愛無い陥落振り・・・(笑)・・・・あれ?ここは(笑)で良いのだろうか・・・?2010/08/23
文庫フリーク@灯れ松明の火
20
《心の内に怪物を飼っていない人間が、いると思うのですか》内なる怪物の《存在を認め、共存のみちを探るのです》大魔術師ラグルドは敵なのか味方なのか。サブタイトルは『祭礼前夜』だが、騒乱前夜を感じる終わりかた。2010/07/29
p.p.
11
ボイスとゼルフト。尊敬しあう武人同士というのは、はたから見ても気持ちがいい。豹可愛いよ豹。ティーエと出会い、さらにアナイアを看取ったイルアデルの心はさらに変化する。最初は薄布の向こうの存在だったのに、今はとっても身近に感じる。その行く末を心配すらしている自分がいる。ティーエとイルアデルの心が通じ合ってうれしいと思っている。人と人とのつながりが物語を生む。これが歴史物語の面白さか。そしてマレシアーナの憎しみは……。2010/11/26
朱音
9
天然水さんのコメ読まずに表紙裏&イラストを見てしまったという(残念)王妹どうもイヤな感じに描かれているが陰謀というよりは感情のおもむくままといった印象で、やはり若いなぁ。もちょっと黒い権謀術数にたけた人なんかでてくるとうれしいが。グラウルさん、もっと黒いかと思っていたがいい人っぽくなってきた。祭&騒乱の予感、で続く。2010/08/02
mayuri(Toli)
6
やっぱり、このアドリエ編はアドリエの人たちがいいです。イルアデル、マレシアーナ、アナイナ、サダナフィン……。 彼らの活躍や存在感に比べれば、ティーエやラクシやボイスの存在もかすんでしまうくらいでした。 あと、私が気になるのはフィテスですね。イルアデルに死亡フラグが立ちまくっているので、忠実なフィテスがその後どうするかとか気になります。 それにしても、この物語はきれいすぎるなあ……。なんか、あまり毒がなくて美しすぎるので、そろそろ読んできて飽きが来ないこともありません……。でも読むけど!2012/03/29