- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > ティーンズ・ファンタジー
- > 富士見ファンタジア文庫
内容説明
石造りの魔法の塔。その足下に立ち、梓は決然と頭上を見上げた。この中に、景がいる。梓はまだ、彼への“想い”を取り戻してはいなかった。表面的な会話や、彼の仕草を覚えてはいても、その時感じた喜びは失われたままだ。でも、それを取り戻したい。景を、連れ戻したい―。ついに“王国”は葛根市に顕現した。景という存在を求め、そこに攻め入る梓たち、DDを引き連れ援護に回る茜。圧倒的な力を持ち、立ちふさがる3B。そして梓と女王は、対決の時を迎える―。孤独な魂たちが、それぞれの望みをかけぶつかりあい、世界はその結果を受け、刻々と在りようを変えていく―。ネオ・アクション・サスペンス、孤独な魂の在り処を示す、最終章。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
13
完結。「王国」最終章というだけあって最初から最後までとんでもなく熱い展開の連続でした。すべての登場人物たちに出番と役割がありそれらが繋がって物語が結末を迎える。これがデビュー作とは思えないほどのクオリティで書き上げた傑作だった。最後まで梓の尻に敷かれている景だけど子供の頃とは違う姿を見せてくれて満足。傑作と呼ぶに相応しい作品でした。2014/07/09
のれん
12
曖昧で排他的な世界。そこから逃げ出したい人。千絵の人間に対する議論は正に厨二臭さの限界突破という感じで好き。 自らの弱さと卑怯さを嘆く傍らで、同胞の幸せを嬉しく思う時もある。 そんな弱者に優しくない世界で、それでも自分を認める人と会えることは何よりの幸福なのだ。 女王との決着は穏やかで残酷だが綺麗。卑怯であることを認めた人間に王国は必要ない。 一名ジャンキーのまま突き抜けた野郎もいるが(しかも面倒くさいカップルになってるし)、大団円としか言いようのない最後には思わずニヤけてしまった。2021/04/06
椎名
9
素晴らしい。粗削りな部分も多かったが、非常に力があり生きることを強く感じさせられる作品でした。「そのうち必ず手応えが返ってくる」「現実はあいまいだ。だからこそ自由でもある」景の言葉は確かで、だからこその重みがあった。誰もが間違えながらも、多角的に見てみれば決して否定できるものではなく、それは無慈悲な女王もまた。けれどその中で、何に焦点を絞り、何を貫くか、そんな芯の通った全力さがこのエンディングを造り上げてくれた。甲斐を頭に一丸となったDDに茜の決意と、ライバル側まで全力投球に魅力的。2015/01/03
nas
6
面白かったけど、前半戦の方が盛り上がったような気がするなぁ。Bのキャラが好きだったから、好みの問題か2020/10/16
(▼皿▼)<デデンデンデン
4
最高。最終的に事態に収拾つけたのは悪魔の能力なんかじゃなくて、どんなに辛い絶望の中でも上を見上げようとする意志の強さ。きれい言ばかりではないけど、目を逸らさない強さ。景や水原、仲間たち、それぞれの決着をノンストップで堪能させてもらいました。誰かに責任を押し付けるでなく、自分の罪も受け入れる主人公達の姿が格好良かったです。この物語に出会えて良かった、素直にそう思います。2009/11/15