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内容説明
「今回は長かったな、お嬢」少年が声をあげる。「まね」黒髪の少女、火乃香は軽く応じる。ひさしぶりに、エンポリウムに戻ってきた火乃香。なんでも屋として砂漠に生きる彼女にも、心のつながりを持つ人々が待つ場所があった…。ジョーイ、ミリィ、メイリン、ノル、パイフウ。人々の日々の営みが積み重なり、それが思いとなり、未来となる(「ただ、それだけのこと」)。火乃香、MJのドラマに、ハードSF短編「帰還」まで余すところなく収録。さらにパイフウをメインとした書き下ろし中編を加えた短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲシャン
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小さな少年の夢/小さな妖精の種子の話/MJのイレイザーとしての話/パイフウとエンポリウム行政局長が出会った話/妹の話・ただ、それだけのこと。世の中いいことばかりじゃないって感じのする話が多いな。パイフウ過去のほうが強いんじゃないか?MJとも会ってるし、レフティとの出会いが描かれて、あとはジャンヌってところか。出会う話がこの先書かれたりするかな? 2012/10/10
森陰五十鈴
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この本に限らないが、ザ・サードは時の流れと生き物の息遣いを感じさせる描写が多い。そして、ふとしたときにその人の人生というものを感じさせる。「護衛」はまさにそれ。ときに機械とさえ呼ばれるパイフウが、「ゲシュペンスト」で悟るに至るまでの種が、こういうところにあるのだなと思うと、胸が熱くなる。ときにふと見せる情動は、カイニスが植えたものなのだなと思うと、また。 「ただ、それだけのこと」。ほんの少し日常に漣が立っただけの話。それがすごいものに、そして愛おしいものに感じられる話。生きるということを考えさせる。2025/07/24
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