内容説明
うちのおかあさんは小説家。料理もそうじも苦手だし、わたしの話なんかぜんぜんきいてくれない。どうしておとうさんは気にしないんだろう。室内楽教室でいっしょのルーカスは、あんなにヴィオラがじょうずなのに、音楽家じゃなくて生物学者になりたいんだって。わたしはどうしてもいい音が出せないし、グループみんなの音はバラバラ。それなのに、先生はコンクールに出ようなんて言い出してしまって…。11歳の女の子ミナーが、家族や友だち、まわりの大人たちとのふれあいの中で、様々なことを考え、悩み、成長していくさまを、モーツァルトの楽曲によせて情緒豊かに描きます。『のっぽのサラ』でニューベリー賞に輝くマクラクランの、透明感あふれる物語。小学校高学年から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nekoyaman
3
W.A.のことを、私はこんなにまで考えたことが無かった。世界を知ろうと一生懸命な主人公がまぶしい。世界を知ることが、もしかしたら、ビブラートが出来るようになるコツなのかもしれない。ラストシーンは胸に迫るものがあり、児童文学ながらも涙がでた。2011/04/25
timeturner
2
透き通った水のようにさらさらした空気の中を時間がゆっくり流れている感じ。音楽の話が出てくるからというわけでもないけど宮下奈都さんに少し似ているような気がした。好きだなあ、こういうの。2016/07/11
水色さくら
1
◎/おもしろかった。ちょっと不思議な書かれ方だけれども、よくわかるような、気がした。邦題がいいな。2013/04/27
アリス
1
主人公は11歳の少女。チェロを弾いていて、室内楽をやっている。モーツァルトの曲を弾くのを覚えている。だいぶ前に読んだけれど、ラストシーンが印象的で今でも鮮明に覚えている。また読みたい本。家族に対する不満や成長の過程にある少女の心情の描写に共感した。
とうい
0
この邦題はいいなー、としみじみと思った。中村悦子さんの挿絵も素敵です。 2012/08/07