内容説明
少年アブリにとってこれが初めての旅だった。妁熱の砂漠を旅するラクダの隊商。その時、砂漠の蜃気桜のむこうから、ひとりの男が近づいてきた。名をスレイマン、語り部だという…。物語の中の物語という二重構造をうまく用いながら、物語はどのようにして生まれるのかというテーマをたて糸に、冒険、魔法、伝説、とりどりの色糸を横糸に、壮大に織りなされたタピストリー。ヴェッツラー市ファンタジー文学賞(1988年)、第2ドイツテレビ「本の虫」賞(1988年)、オーストリア児童図書賞(1988年)受賞。中学生から。