内容説明
どことなく貧相に見える牛に乗り、弟子の若者を連れて諸国を旅する小柄な老人。頭にすっぽりと頭巾を被った、達磨の座像を思わせるこの老人こそ、天下一の名医の呼び声も高い残夢である。しかしこの残夢、行く先々で怪事件にばかり巡り合う。合戦の最中に密室から消失した姫君、不可能状況下の刺殺事件、忍者軍団の死闘の裏に潜むからくり…。室町幕府崩壊前夜、諸国を放浪する伝説の医師の名推理。第十回創元推理短編賞受賞の気鋭が満を持して放つ、トリックへの情熱にあふれた伝奇的連作本格推理。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋良
4
うーん?何だか荒唐無稽すぎて…。謎解きがけっこう粗いし。ちょっと私には合わなかった。2016/11/17
asa
3
面白い!!と素直に思います。謎が多い残夢を主人公に謎が多い部分もある歴史人物に上手くミステリーを絡めている。第4話の最後の本能寺の変の首謀者は実は信長だった!っていう説は最近TV番組でも扱われてたし、でもこんな風に大胆に話にされると、なんか面白い!意外とそうなのかもって思います2010/01/08
wm_09
2
『大和幻争伝』だけ山田風太郎的だと思った。トリックよりもむしろ動機のほうが面白かった気が。トリックは結構無理やりで『織田瀆神譜』に至っては結果論の気が強いし。(清)2010/03/06
キートン
1
初読み作家さん。 荒唐無稽なトリックに評価が分かれそうだけど、不可思議な謎、トリックに使われる道具の使い方、トリックを含めての事件の真相など、全体的に外れがなく個人的には○。2018/09/24
シロゴマ
1
歴史&ミステリな連作短編集。戦国時代に諸国を放浪する老医師が探偵役で、歴史上の人物が絡んだ事件の謎を解く。信玄や光秀、信長が出てきたりしてニヤッとする。人間消失や密室殺人?などのトリックも良かった。【神国崩壊】の時も思ったけど、この作者(作風)ならではのトリックだと思う!2012/12/01