内容説明
あすはジェスが1年間のフランス留学に旅立つ日。お祝すのパーティの夜、集まった家族たちは思い出話をはじめます。祖父母の恋物語、父の失恋、そしてジェスが幼い頃死んだ兄ダニイのこと。ジェスが、家族みんなの思い出や秘密を胸に抱えて旅立てるように…。イギリスの鉄鋼業の町シェフィールドを舞台に、3世代にわたる恋と生命の輝きをうたった物語。イギリス・カーネギー賞受賞作。中学生から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
伝奇羊
6
四人の祖父母、両親、亡くなった兄、もう一人の兄、家族のエピソードが順に語られる中、少女は旅立つ。文体が美しく瑞々しく光って感じられた。2024/05/06
のんの
4
家族3代にわたる結婚までの恋愛話。それぞれの若かった時代がでていた。宗教関係の問題もむこうの国は、こっちよりもあるんだね。それぞれの女性が失恋したり、自分の考えを貫いたり、色々あったんだなぁ…こんな風に、孫や子供に話せる結婚できるといいなぁ。2020/12/28
きゅー
4
おばあちゃんおじいちゃんの話、時代を感じるけど生き生きとしていて良かったな。ダニイのくだりは切ない2020/08/11
青嵐
2
イギリスの鉄鋼業の町・シェフィールドに住む女の子・ジェスが、フランス留学に旅立つ前日、お祝いパーティーの夜に集まった祖父母たち家族が思い出話を始める。ただそれだけの話ではあるが、この作家の作品にはどれも心の琴線に触れてくる。アン・タイラーの小説が好きな方なんかは気に入るんじゃないかな。不幸と幸せを併せ持つ、ごく普通の家族で育った少女の旅立ちの物語。2010/03/01
林芳
1
家族という近しい関係だからこそいがみあいも軋轢もあるけれど、そこには時を重ねてきたゆえの愛情があり、近しい者たちゆえにそれらの人生の歴史に愛おしさ、哀しさを感じる。そういう誰にでも共感できる思いを上手く表現しているな~と思った。2024/06/30