内容説明
「夫は浮気をしているのではないか?」女房殿のこの問いは、サラリーマンと作家、二足のワラジをはいて、みずからホテルでカンヅメ生活をはじめたことから始まった。ありうることではあるが、探偵の尾行に気づいた著者は、その探偵を尾行する探偵を雇うという奇想を実行する…。昭和30年代の、いまだ貧しかった時代を、さまざまな奇行をユーモラスに描きつつ、ペーソスのあるなつかしさに満たち長篇エッセイ。
目次
二足のワラジのはじまり
首すじを涼風が吹く
探偵にまた探偵をつける
新婚旅行を追跡する
3会社を経営・5家族を養う
街頭の靴磨きになる
指先に感触がよみがえる
ホステスの誕生祝いをする
私立探偵社に挑戦する
女房の体罰を甘んて受ける