内容説明
マイナスをすべて集めればプラスに転化しうる―思索に思索を重ねた末に辿りついた、後年のドストエフスキイの逆説の世界観がちりばめられた後期傑作8短篇。文庫本初収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
47
ドスやんの未読短編を探す旅で見つけた文庫本。作家生活後期の8編の短編集。読めて凄く嬉しい。収穫アリアリ。一つは「宣告」。これは短編というよりドスやんの思考メモ。意思の発生についての考察。意思のある自分。自然は何故意思のある自分を生み出したのか?僕の勝手な思い込みでドスやんはてっきり敬虔なキリスト教徒だと思っていましたが、バッサリと覆されました。そこには神は存在しません。意思が宗教を作ったのだと。リチャード・ドーキンスさん、これ読んだら喜んじゃうね。他の動物と異なり、俺は意思があるから不幸だと。2024/12/16
やいっち
30
長い待ち合い、ひたすら安静。読むしかない。持参した本書を読了。きわめて実験的な作品ばかり。ドストエフスキー自身が編集した雑誌に毎号自身の特集を組む。「作家の日記」はドストエフスキーが書きたいことを政治から文学まで。2019/06/18
武井 康則
17
「おとなしい女 空想的な物語」「ボボーク」「キリストのヨルカに召されし少年」「百姓マレイ」「百歳の老婆」「宣告」「現代生活から取った暴露小説のプラン」「おかしな人間の夢 空想的な物語」の8編を収める。晩年、雑誌編集者として書いていた「作家の日記」からの作品なので、その時々のコントという印象。幼少期、身体が弱かったらしく、死に対する親和性から強烈な自意識と宗教への傾斜が生まれたのではないか。暴走する自意識ゆえの独りよがりな饒舌は他と繋がれず孤立する人と、その対極にある、何事をも受け入れる少女。永遠の青春小説2021/12/21
SIGERU
4
1873年から77年まで、雑誌に順次発表された。後期短篇集と銘打たれているが、実はドストエフスキイ晩年の浩瀚な「作家の日記」から創作部分を抜粋したものだ。ドスト氏の小説作品は初期作品も含めて完読しており、論説・批評・創作小説が混然一体となった「作家の日記」のみ読み止しのままにしていた。この便利な文庫本で創作小説を纏めて読めたのはありがたい。「おとなしい女」は、中年の主人公が16歳の処女を妻に迎えるという、ドスト氏の少女愛趣味を髣髴させる心理小説。幼な妻の複雑玄妙な心の動きを活写する力技は、まさに独壇場だ。2017/01/03
刳森伸一
4
多くが『作家の日記』から取られた、ドストエフスキーの後期短篇集。諷刺的なものから哲学的なものまで幅広い。最後を飾る『おかしな人間の夢』は『地下室の手記』の発展型かもしれない。2013/09/05
-
- 電子書籍
- 「妄想」を操る女は100%愛される(大…
-
- 電子書籍
- サックス先生、最後の言葉




