内容説明
末期ガンを知らされた著者が、充実した人生への深い感謝の念を、周期表に捧ぐ変わらぬ愛を、老いや病、死を潔く受け入れる心境を説き語る、死後刊行されベストセラーリスト入りした遺作エッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
125
『レナードの朝』で有名なオリヴァ―医師が死の直前に書き下ろしたエッセイ。これを書いた時に、彼はがんの転移のために自分が長く生きられないことを知っていたそうだ。そのような困難の中にありながら、一つ一つの言葉は味わい深く、清澄だ。オリヴァーも人間なので取り乱したこともあると思うが、どのようにしてこんな境地にたどり着いたのだろうか。性的なマイノリティーだったことは、本書を読んで初めて知った。人生に対する感謝の気持ちに溢れている点に胸を打たれた。図書館の本だが、いつか購入して繰り返し読みたいと思う。2016/11/09
やいっち
40
サックスの本は数多く翻訳されている。知る限りで15冊ほどか。吾輩は少なくとも10冊は読んできた。一度ならず読んだ本も何冊か。中でも、『タングステンおじさん』は我が愛読書。これまで3度は読んだ。上掲書は、サックスの最後の言葉の書だとすれば、『タングステンおじさん』は、彼の幼少期からいよいよ医学者たる決意をするまでを描いている。 以前、以下のように書いたことがある(「自分の体で実験したい!」より):2019/07/26
ののまる
12
自伝の『道程』も読みたくなった。2016/10/25
タミイ
11
「レナードの朝」のオリヴァー・サックス先生による晩年のエッセイ4編。簡潔で短い文章だが、これまでの人生や仕事を振り返り、穏やかな満足と感謝の言葉で綴っているのが何とも胸に沁み入る。医師・作家として長年にわたり数々の素晴らしい仕事をしてきたサックス先生でも「概ね良い人生だったと思えるように」なるまでには恐らく不安も恐怖もあっただろうと思うが、最後にこうして心穏やかに自分の人生を思い起こし、受け入れることのできる人間としての成熟の境地はさすが。私も80代になるのが楽しみだと言える人間になりたい。2017/09/22
atomos
9
超薄いけど、とても良い本。2016/11/06