内容説明
新天地を求めてアルメニヤからアメリカに移住してきたガローラニヤン家のアラム少年。いたずら好きの彼が悪友たちと起こす騒動の数々。貧しいけれども純粋で無邪気だった幼き日々を、愛と笑いと一抹のペーソスで彩った不朽の名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
酸辣湯
4
とにかく可愛いアラム。アラムのまわりの大人たちも無鉄砲だったり頑固だったり面白い。 アラムたち純粋な子どもの目線からすると、私たち大人はなんと無駄や言い訳が多く、理屈や建前ばかりで生きていることか。2019/02/08
メルコ
4
「ディア・ベイビー」に続いてサローヤンの作品に浸る。ちょっと甘ったるいくらい濃厚なセンチメンタリズムだが、アルマニア系アメリカ人の疎外感が、いまの自分にはちょうど心地良い。この訳は、主人公と微妙な距離がどこかにある。2014/01/31
Naohiko Oikawa
1
アルメニア系のアメリカの知人に縁のある作家なので読んでみました。 「川で泳ぐ三人の子供と、エール大学出の食料品屋」「機関車三八号という名のオジブウェイ族インディアン」など、異界からやってくる登場人物の存在論的な孤独感と、そんな孤独感を知らない子供のたくましい肯定性とが出会うストーリーが特に好きでした。2013/08/26
tegi
1
アメリカに切り込みを入れる移民由来の世界…というより、中盤くらいまでアメリカだとわからなかったくらいにとびきり濃厚な異世界感が楽しく笑える。しかしやがてアラムくんにも読者にも広いアメリカと世界の様子が垣間見えてきて、ついには旅立つ。この徐々に広がっていく認識、そしてその世界を「まずは信じてみよう」とするあまりといえばあんまりな素直さが、心地いい。2013/04/12
くろひきか
1
最高にこの世界は好きです。このユーモア感覚は絶妙ですね。今だからこそ感じる面白さなのかもしれないですが、電車の中で笑って読んじゃいました、読後感が心地よすぎる。