福武文庫<br> ゆっくり東京女子マラソン

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福武文庫
ゆっくり東京女子マラソン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 229p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784828830018
  • NDC分類 913.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

S.Mori

5
表題作の「ゆっくり東京マラソン」は、これまで読んだ日本の文学作品の中で最良の作品の一つです。出産、子育て、仕事と家庭の両立といったそれまでの日本の女性の作家があえて避けたことを、正面から描いていて胸を打ちます。命を生んではぐみ育てること。その喜びと悲しみがこれほど鮮やかに伝わってくる作品は少ないでしょう。小説の中で女性の先生が子供達やお母さんたちに励まされる場面が好きです。彼女は死産と言う辛い経験をしたのですが、教室の生徒たちを自分の子供だと思うことで気持ちを切り替えます。この場面は泣けます。2019/06/03

abkbo

1
どの時代にも新しさというものはある。クラス委員になった4人の母とその子どもたちのなんということのない日常を描いており一見新しくもなんともないようだけれど、昭和女流作家がなべて小市民的な生活を排除し情念の世界を追い求めていた時代においては一石を投じる作品であったのだろう。母の日常や心理を丁寧に描いているのは好き。ラストも唐突な感じがあるもののその後ずっと続く時間の流れを感じさせる。 第91回芥川賞候補2014/10/24

fumi

1
干刈あがたの文学には情念が排除されている、というのは判り易い図を仕立てるためのいわば記号的な批判だというのが第一の感想。彼女にもまたそれは存在するが、あくまで脇役が修羅場を演じていたり、泥沼も子供に代弁させてみたりと、要するに転化や昇華が上手いのだと。そういう枷、という負のものではないな、例えばスポーツを愉しむためのルールのようなものを自らに課したような彼女の語りは一筋縄ではいかないな。ディテールや台詞に宿るリアリズムはちょっと他には見られない。2011/03/30

まふゆ

0
母が読んでいた本を母になって読む。宿世のえにしならん。2016/10/29

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