内容説明
戦争、クスリ、多重人格―90年代の生と死。マラソンの素人に近かった女性ランナーがクスリを使用し、世界記録を上回るペースで来た40キロ過ぎに突然死した。その死を巡って複数の毒物に関わった研究者、医師が、麻薬や毒物の研究と症例を生々しく裁判の証言で語る表題作ほか2篇を収録した最新作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホレイシア
5
現役医師だが、文才もある。淡々とした文章、大好き。2008/10/01
海宇未悠(うみゅみゅ☆)
1
以前借りた時は読み終われなかったので、もう一度借りて読了した。1本目は、湾岸戦争を舞台にしたフィクションで、架空の国が最初は架空なのか実在してるかわからないと思ったけれど、そうだこの作家は異常論文の名手だった!と思い出した。そこに気付いてからは、すいすいと読めた。2本目も異常論文として面白い。3本目は別の短編集で既読だったので、これで図書館に返せる。2022/03/04
aki
1
リアリティに引き込まれるというか、こんなに集中して読んだ本は久しぶり。絶版なのが悔やまれる。2021/11/26
サダルメリク
1
淡々とした文体でありながら、スリルを感じさせる短編揃い。Aliceは難解だったのでまた再読したい。2020/06/29
inugamix
1
形式と文体のマッチングが雰囲気を盛り上げるというかじわじわと背筋を冷やすというか。ほとんどホラーに近い。これもうっかりすると「こんな薬物事件の話を読んだんだけど…」とかいって人に話してしまいそうなほどリアル。2009/12/15