内容説明
恐怖と笑い、幻想とリアリズム、痛烈な諧謔―。稀有の文章で自らの世界を紡いた百〓文学を新編集で網羅。
目次
百鬼園随筆（琥珀；見送り；虎列刺；一等車；晩餐会；風の神；髭；進水式；羽化登仙；遠洋漁業；居睡；風呂敷包；清潭先生の飛行；老狐会；飛行場漫筆；飛行場漫録；嚔；手套；百鬼園先生幻想録；梟林漫筆；阿呆鳥飼；明石の漱石先生；大人片伝；無恒債者無恒心；百鬼園新装；地獄の門；債鬼；フロツクコート；素琴先生；蜻蛉玉；間抜けの実在に関する文献；百鬼園先生言行録；百鬼園先生言行余録；梟林記）
百鬼園俳句帖
百鬼園俳句帖漫評会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
22
再読。何度も再読に耐える本というのは少ないが、これは読む度さらに読み返したくなる稀有な一冊。「百鬼園随筆」と「百鬼園俳句帳」が収録されている。「百鬼園随筆」は、冒頭の引き締まった小品も借金を描いて何となく息苦しくなるような諸編も素晴らしいけれども、やはり先生の日常を描いた「百鬼園先生言行録」「百鬼園先生言行余録」が読んでいて最高。先生による結婚式のスピーチや煙草を燃やす話等、完全に覚えているのだがそれでも腹の皮が捩れそうになる。俳句集の方は有名な「木蓮や～」や「蜻蛉の～」が一頭地を抜いた感じ。2012/12/31
