内容説明
龍のようにわだかまり虎のごとくうずくまる、永遠と母胎回帰の暗示された地を希求し続ける中国人の空間思想は、神話の島蓬莱のデザインから、帝都のプランニング、山水画、庭園、春画、ひいては漢字の空間までマクロからミクロをめぐり今なお人々を呪縛しつづける。はじめにデザインありき、ともいうべき中国文化の根底に流れる空間思想を時空を超え解き明かす待望の風水文化論。
目次
1 蓬莱のデザイン(名山の階段;泰山をめぐる聖なる幾何学;空間プランナー始皇帝 ほか)
2 地平線のない風景(アルンハイムの地所;囲まれた庭;南面の政治地理学 ほか)
3 ミクロの空間デザイン(北辰の石;漢字の空間学;さし絵の空間戦略;春画のなかの庭園 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
∃.狂茶党
9
蓬莱などの三山、魏志倭人伝などで、東の海には、日本があるとなると、南海に転移して考えられたという。南海は東よりも広大であり西方に位置する、崑崙も乱反射する。 遠くインドから、アフリカ東岸までを、中国は認識していたらしい。 時代の隔たりに眩暈がする。 国を代表する名山に階段を設えない日本人と、神聖なる山にこそ階段を刻み込む中国人とのものの考え方の違いを指摘したり、蜃気楼に神仙境の姿を見たりとで、ひと段落。 後半なんか構成が雑になっていくような。 2023/02/23
もち
4
性的な話に結びつけられると、少し苦手ですね……。2017/06/04
teshico
0
先生の講義を懐かしく思い出しながら読んだ。ご本人があとがきに書かれているこの本の出発点は2つ。「中国の山水画にはどうして地平線が引かれていないか」「中国人はどうして山のてっぺんにまで階段をつけるのか」。風水(思想)に興味のある人にもどうぞ。2012/03/29
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