内容説明
11歳の小学生、西岡彦樹は、ふとしたことから魚釣りにきた無人島に、一人取りのこされてしまう。次の船が来るのは一週間も先のことだ。それまでたった一人でどうやって過せばいいのだろう。水は…、食べ物はあるのだろうか。画家、彦一彦が一人の少年に託して、現代に生きる親子に投げかける、熱いメッセージ!物にかこまれた豊かな生活の代償に、現代人が何を犠牲にしたのかを、簡潔な文章と豊富な挿絵で描いた力作。小学校高学年から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みや
20
11歳の少年が無人島に残されて一週間を一人で生き延びる。これから猿島へ行く身としては不吉極まりない設定だが、歴史や地理、生物の説明が非常に参考になった。魚釣りが趣味だから海鮮に詳しく、祖父母と両親に教わった知恵を活かして竈や銛を作り、火も起こせちゃう。私より断然生きる力を持ち、性格も健やかなのでサバイバル面のハラハラ感は無かったが、戦争や人殺しについて考えたり、両親の耳に痛い言葉は自分への愛情なのだと思い至ったり、彼の学びが私にとっても気付きとなった。兵舎の教室で戦時中の若い兵士に思いを馳せる場面が好き。2023/12/25
はと
9
うちに本棚の奥にあった本。自分が小学生の時にもらったか買ってもらったかした本だと思います。釣りの大好きな小学5年生の少年・彦樹は、家族に内緒で海釣りを楽しもうと無人島・猿島に出かけます。ところが、帰りの船に乗り遅れてしまい、1週間無人島で生活することに。猿島という島は、昔、要塞として使われていた実存の島だそうで、本を読んでいると、行ってみたい気持ちになります。昔この本を読んだときも、少年のサバイバル生活にとてもわくわくした記憶があります。(コメントに続く)2013/09/29