内容説明
夏休みのある暑い日のことだった。野原で雨やどりをしていたぼくが、あの閃光を見たのは―。数えきれないほどの人が死に、生き残ったぼくたちにとって、世界はまるっきりちがったものになってしまった。食べ物を奪い合っての殺し合い。後遺症で死んでいく人達。廃墟の町での権力争いの戦い。ぼくが正気を失わずにいられたのは、初めて心から好きになった女の子キムと、小さな弟ベンのおかげだった。核戦争後の廃墟を舞台に、極限状況下の人間の姿を深く見つめて描く、胸をうつ物語。中学生から。チルドレンズブック賞受賞。アザー賞受賞。カーネギー賞推薦。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
8
『授業で役立つブックトーク』 https://bookmeter.com/books/5540025 より備忘録。【社会 テーマ 戦争を考える】詩画集 小さな祈り→いわたくんちのおばあちゃん→屋根裏部屋の秘密→海と毒薬→モーツァルトはおことわり→あのころはフリードリヒがいた→弟を地に埋めて→戦火の馬→六にんの男たち 2020/08/07
ポラオ
2
●中学の図書室で読んですごく印象に残っていたので、20年ぶり以上に区の図書館で借りて読んでみた。東西冷戦の肌感覚は自分にはわからないけれど、この時代の作品を読むと本当に当時は現実的な脅威だったんだなと思う。戦争を起こさずに理性的な世界を作らなければならないと思うと同時に、争いのきっかけはこの本のような放射能の風評加害者でもあるんだろうなとも強く思います。2024/08/04
りうかん
2
核戦争によって今の生活がすべて崩壊した世界。核汚染、食糧不足、放射能による病、追いつめられた人たちと生活の中で主人公たちが探し求めようとするものはなんなんだろう。妙にリアルで、ありえそうで非常に怖かった。絶望の先に希望があるんだよ?なんて微塵も思わせないところがもう何とも言えない。大人向けの児童書だと思う。2014/04/21