内容説明
東芝、タカタ、シャープ…アメリカに嵌められ、中国に盗まれる日本企業の末路。日本企業は世界戦略をなぜ見誤ったのか?貿易黒字に固執した日本の敗因とはなにか?今の日本に必要なのは経済成長ではなく、経済循環である!
目次
第1章 東芝はアメリカに嵌められた
第2章 国策としての原発輸出
第3章 日本メーカー最大の過ちは「技術流出」
第4章 トヨタ、タカタもアメリカに嵌められた
第5章 “貿易黒字至上主義”の誤算
第6章 今の日本に必要なのは“経済成長”ではなく“経済循環”
著者等紹介
大村大次郎[オオムラオオジロウ]
大阪府出身。元国税調査官。国税局で10年間、主に法人税担当調査官として勤務し、退職後、経営コンサルタント、フリーライターとなる。執筆、ラジオ出演、テレビの監修など幅広く活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シュラフ
28
貿易問題でトランプが日本に牙をむいてきた。自動車関税で脅されたらどうすればよいのか右往左往の新聞論調。だがこの本を読んでみると、日本経済の構造転換のよい機会のようにも思えてきた。著者は「必要なのは経済成長ではなく経済循環である」と主張。人口減少で国内需要も減少する日本にとって、海外輸出による経済成長こそが解決策のように錯覚する。だが一方的な海外輸出は当然ながら相手国との摩擦をおこし、米国での東芝やタカタへの報復となる。貿易黒字を積み上げるだけでは国民は富まない。国内景気浮揚のための経済循環への知恵が必要。2018/09/09
宇宙猫
24
★★★★ アメリカで東芝が赤字会社をつかまされたり、トヨタやタカタが賠償金を払うに至った顛末など。海外進出は殴り込みだから、殴り返されるのは当然って感じかな。すごく面白かったけど、著者の結論には納得しかねた。2017/11/30
りょうみや
14
タイトルとメインの主張はマッチしていない。東芝やトヨタの例も書かれているが、大元は日本の政策の問題。日本は輸出を増やすことに固執し貿易黒字を出しすぎるから米から叩かれる。日本には金があるのに貧富の差があり国民の生活が厳しいのは、社会保障制度の不備のため。工場は海外移転よりも国内に置き雇用を確保すること。必要なのは経済成長よりも経済循環という主張。自由経済・グローバル化の悪影響についてわかりやすく書かれている。2018/07/24
バーベナ
3
東芝だけでなくM&Aの失敗で巨額の損失をだしている日本企業が多すぎる気がする。アメリカだけでなくインドでもやられていたし。何故なのと思ったら是非手に取って欲しいなぁ。敵を外にだけ求めるのではなく、日本の構造や事実認識の相違も分かりやすく書いてあって、読み物としても面白い。おススメです。2017/12/08
christinayan01
1
日本って過去はいい人だけどしたたかさも持ち合わせていたように思っていたが、今はただのいい人、というかヒモにしか見えていなかったがやはりそうなんだと思えた本。本当私もずっと疑問だったのですが、いつまで貿易立国だと思い込んでいるんだろう?と思う。結局は自分らの富や技術を自ら外国に垂れ流しているだけの間抜けなんだけど何が楽しいんだろう。そりゃあ外国勢は嬉しいし称賛するよ、超格安or無償で勝手に分け与えてくれるんだから。あと東芝問題はこの本が一番詳しく経緯を書いてくれていると思う。2024/10/10