出版社内容情報
日本古代の家族およびその一属性である婚姻が後世や現代の家族・婚姻とどう異なるのかを具体的に考察する。古代の単婚以前の対偶婚の存在を、姦通、強姦、買売春の不在、性愛の特徴等から、現水準の歴史学・文化人類学の成果をも取り入れながら、展開し実証する。従来の家父長制家族の成立を前提とする“日本の古代社会論”の再構築を迫る書下ろしの労作。
目次
序論 古代家族と婚姻形態
第1編 対偶婚概念の理論的検討(対偶婚の学説史的検討;対偶婚の一般的定義;対偶婚の日本的特殊性)
第2編 日本古代における対偶婚の存在と具体相(必ずしも閉ざされていない配偶者の性の在り方;日本古代における「姦」について;気の向く間のみ継続する結婚とその下での諸事象;日本古代の性愛の特徴)