出版社内容情報
原文万葉集は、万葉学の一切の礎石である。西本願寺本を底本とし、綿密な校勘、総ふりがなで読み方を示した万葉集一冊本は、発刊以来三十数年“塙版万葉集”校訂本として、絶大な好評をえ広く愛用されているが、今回の補訂に際しては、新出資料の廣瀬本の本文の内容を盛りこみ、その後の研究成果を反映させ、新訓を附した待望の万葉集テキストの決定版! なお、CDーROM版も発売中です(ISBN:4827300917)
内容説明
本書は、万葉集の本文に校訂を加え、平仮名の傍訓を施したものである。
感想・レビュー
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NAO
54
20巻からなる「萬葉集」の4516首は、完全に時代順に並んでいるわけではないが、古い時代の歌が多い前半は技巧に走ることなくおおらかで直情的な歌が多く、後半は技巧的で女性的な歌が多いという傾向がある。中大兄皇子、大海人皇子、額田王の三角関係を互いに詠み合った13・20・21、自分の運命をまだ知らず一途な恋に燃える大津皇子の107と、彼が死んだ後姉が詠んだ165、大津皇子同様政権争いに敗れた有馬皇子の挽歌141・142と、ただの風景や恋だけでない深いドラマが感じられる歌が好きだが、一番好きなのは、2017/01/12
yuzi
0
やっと完読!一年半位かけて毎日ちびちび鑑賞しておりました。もう最初の方どんなだったか覚えてないですが、巻2あたりは挽歌が多かったとか、旋頭歌が後半あたりだったとか、音のみで読ませる字で書かれたものはところどころに固まってたとかそんな印象はある。1字1音読み作品群は呪術?ってくらい意味不明な漢字の羅列で面白いし、ここから平仮名へと発展していったのかと思うと感慨深い。最後の清麻呂と家持の歌の応酬は関係を勘ぐりたくなるような親密さで、この時代の背景とか習慣とか知るともっと面白いのかなと思いました。2023/05/28