内容説明
長びいたり繰り返し起こったりする「うつ」をどう理解し、どう治療するか?薬にばかり頼らないで「うつ」を克服する人生処方箋。
目次
1 森田療法で読むうつ病(うつ病とは;うつ病の精神療法;森田療法によるうつ病治療の考え方―養生論;家族の対処のしかた)
2 うつ病の治療戦略(入院森田療法とうつ病;外来森田療法とうつ病)
3 森田療法でできること(森田療法とうつ病治療;森田療法の対象となるうつ病者の特徴とその症状理解;うつ病者への外来森田療法のポイント)
著者等紹介
北西憲二[キタニシケンジ]
1946年埼玉県に生れる。東京慈恵会医科大学卒業。1979年、東京慈恵会医科大学附属第三病院精神神経科科長。同大助教授、成増厚生病院副院長を経て、日本女子大学社会福祉学科教授、森田療法研究所所長
中村敬[ナカムラケイ]
1955年東京生れ。東京慈恵会医科大学、同大学院修了。医学博士。ブリティッシュ・コロンビア大学客員助教授を経て、東京慈恵会医科大学精神医学講座助教授、同大学附属第三病院精神神経科診療部長。また、日本森田療法学会常任理事、多文化間精神医学会理事、日本サイコセラピー学会理事、日本うつ病学会評議員などを務める。専門領域は森田療法、不安障害・うつ病の臨床
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感想・レビュー
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sayoA
2
いかに神経症者が自分で不安や抑うつを作り出し、うつを難治化させているか、慢性うつの理解が深まった。回復には「完璧主義、べき思考を緩めること」「開き直ること」によって自己受容することが欠かせない、とのことだったが、それが神経症者には容易ではないのに…と思った。「自分で頑張って治そうとしてはいけない」「医者任せ、時間任せ、成り行き任せがよい」「春に備えて冬眠に入る感じ(で休息しよう)」「億劫さと“やってみようかな”が半々くらいならとりあえずやってみよう」など、臨床場面で使えそうなコメントは有り難かった。2023/02/17
Asakura Arata
1
複数の著者が書いているので、散漫な印象。最後の北西先生の「森田療法でできること」が参考になった。2016/03/24
モック
0
森田神経質に近い傾向にあるうつを事例で通して理解を深めるという本。広義的なうつを対象にしたものではなく森田理論が適応出来るであろう狭義的なうつを対象としているため、躁うつや器質性についてはあまり書かれていない。その分に研究と考察の余地があると思える。2012/10/07